05_ 映画・演劇・書評

『嫌な世界』

 
今日はブルドッキングヘッドロックの『嫌な世界』を観劇してきました。


火星移住が始まっている、たぶんけっこうな未来の日本。
だけど、舞台となっている貧しい町工場は、そんな世界情勢とは関わりなく、
変わりない資金繰りと泥臭い人間関係のドタバタで、毎日が精一杯。
不倫、純愛、地元愛、そして親愛の情に擬態した何か。
さまざまな思惑がむきつけにぶつかりあう蛸壺で、
大人が大人の事情に余裕なくかまけているとき、
子どもの目に「世界」はどう映っているのか。
ちっぽけな人間の愛は、エゴは、救いのない現実を動かすことができるのか。


ブルドッキングヘッドロック、今回がVol20の公演でしたが、
相変わらず濃厚で面白いっ。 この劇団には、ハズレがありません。


「愛で何か(誰か)を救うことはできないが、愛は何か(誰か)を確かに変える」

そんなメッセージを、毎回、勝手に読み取っています。


役者さんもベテランで上手だし(ネガティブな役をやるときの永井幸子さんの
輝きはハンパない)、脚本もきっちり人間が描かれていて、満足感が高いの。

いま一番、文句なしにオススメできる劇団です。
今回も、たっぷりと心を使って楽しむことができました。感謝!



「行きすぎちゃった」人の味

 
行きすぎちゃった人の話は、どんなジャンルでも味わい深い。

と、あらためて認識した本をご紹介します。


マンガ家中崎タツヤ氏の、『もたない男』(飛鳥新社)です。
「もてない男」じゃないよ。


私は高校時代から中崎氏の『じみへん』を愛読しております。

(『じみへん』面白いよね! という女子は周りに皆無でしたが。。。
吉田戦車も中川いさみも受け入れられてたのに、なんで中崎タツヤはダメだったのだろう)


ということは、中崎マンガを読み始めて、17年くらいか。
年数にするとけっこうなお付き合いになるのに、マンガ家さん本人のことは
何ひとつ知らなくて。
今回、ちょっとした衝撃を受けましたですよ。衝撃というか、驚愕です。


その、「もたない」っぷりに。


タイトルの「もたない」とは、「ものを所有していたくない」「捨てたくてたまらない」
性癖のことです。ええ、もう、これは性癖と呼ばせていただきたい。

中崎センセイの仕事部屋が巻頭のカラーグラビアに載っているのですが、
これがもう、すごい。ほぼ、ものがない。
「ほんとうに、3年半も毎日通っている仕事場?」と、見るものを不安に陥れるほどに。

薄いカバン1個に入れて持ち運んでいる紙、ペン、消しゴム、
定規といった最低限の(最低限すぎる)仕事道具が、
小学校の学級に置いてあるようなフック付きの小さな机に
置かれているだけという。。。

資料やカレンダーや時計やFAXやコピー機といったアイテムもなければ、
カーテン(!)もゴミ箱も冷蔵庫もポットも着替えも、
なぁぁあんもないんですよ!!


あまりのもののなさに、友人から《「不動産屋に内見に案内されたみたいだ」》
などと不気味がられる始末です。いや、ホントにそんな感じ。


本文がまたすごくって、「血眼になって持ち物の無駄を探し、見つけ次第に捨てる」
という性癖の告白が、189ページにわたってえんえんと語られています。

 「もたれる必要がないから椅子の背もたれをノコギリで切って捨てた」
 「ボールペンのインクが減ってくると本体ごと削っていちいち短く工作する」
 「オートバイのフェンダーの意味がわからなくて剥がして捨てた」
 「卒業アルバムは即捨てた」
 「自分の著書も生原稿もぜんぶ焼いた」
 「許されるなら人のものも捨てたい」(オイ!!)

などなど、どんどん常人の範囲を超えた名言が出てくるわ出てくるわ、
いやもう、、、すごいっ!!

上記なんて、ごくごく一部ですからね。
ページをめくるごとに、「こんなもんまで捨てんでも・・・」という実体験が
ざっくざく、無駄な部分を捨てるためなら労力を惜しまない姿勢には
鬼気迫るものを感じます。
いま流行りの「断捨離」なんて、甘い甘い。
第2章にある「本棚」のくだりはとくに、「そこまでやるかっ」と驚倒すること
必至なんで、ぜひご一読をおすすめしたいっ!


しかし、この「捨て魔」の中崎センセイ、物欲がないかというと
そんなこともなく、新しいもの好きでのめりこみやすい一面も書かれています。

よく買って、よく捨てる。

物欲と所有欲は違う、と本人も本書で分析してありますが、
人間という生きものの奇天烈さを感じるというか、
中崎氏の、何も考えてないような考えつめすぎたような独特のギャグと
シンプルな絵柄にどこかマッチしている性癖だなあと思いました。
生き方そのものが手の込んだギャグのよう。


こういう、「突き抜けた人」の話は、「人間の底知れなさ」のようなものの
一端をチラっと垣間見せてくれますね。
驚きの声をあげられるけれど、決して病理や犯罪にまで振り切れてしまって
いないから、安心して笑えるんです。

たぶん誰にでも「人間の底知れなさ」に対する興味ってあって。
だから、猟奇殺人鬼を特集したディアゴスティーニの
「マーダー・ ケースブック」がベストセラーになったりするんだろうなと
思うんですけど、そこまでくるとちょっと人に言えないというか、
眉をひそめられるというか、興味本位にちゃかすと不謹慎というか。
世間の「圧」を感じてしまう。

その点、ちょっと突き抜けた人の話は、ブラックジョークのようなもの。
いろいろと工夫している人たちなので、意外に「使える」アイデアも拾えるし
(中崎センセイにならって、私も読み捨てる文庫本は半分に「割って」ポケットに
入れるようになりました。薄くて軽い♪)、
気楽に笑いながら読み進めつつ、人間のバリエーションの豊富さ、底知れなさ、
不気味さのカケラを味わうこともできて、楽しいんですよね。


唐突に夫婦愛の話なんかも挿入されていて、とっちらかり具合がまた
不思議といい感じです。一読の価値はあり!



『母を逃がす』

 
昨晩、大人計画の『母を逃がす』を観劇してまいりました。

思いっきり笑い、息を呑んで成り行きを見守り、また笑い。
ドドンパ級ジェットコースターに振り回されるような2時間半は
あっという間に愉快愉快と過ぎていった、
なのに見終わった後、なかなかにずっしり胃に来てしまいました。


舞台は、最盛期を過ぎ、人間関係の煮詰まり果てた、閉鎖的農村コミューン。
ドタバタな悲喜劇は、笑いにくるまれてはいるけれど、本質的に救いがない。
戯画化されたあの地獄は、限りなく私たちの日常の近似値だ。


ニヒルで。だけど必死で。どうしようもなく滑稽な、営み。
それらを飲み込んで、日常は続いていく。流れていく。
そこに意味なんか、ない。
虚無の中に咲く言葉は、ときに強烈に光り輝き、やがては腐りはてゆくばかり。

生きていくってことを、あんなふうに捉えてしまうことは、つらい。

だけど、もう一回観たいなあ。

何度でも味わいたい嫌な味ってのがあると、はじめて知った。

にがさまで美味しいと思えるのは、たぶん、
とてもとても誠実に作られているからだと思う。




*****


さて。話は余談へとスライドしますよ。


観劇後、劇場のそばにある焼き鳥居酒屋に入りました。

私たちの横には、18~22歳くらいとおぼしき、とっても若いカップル。
大学の話をしていたので、学生さんのようです。
串が焼ける間、何気なくその会話を聞いていた王子と私なのですが。。。


「おまえのお父さんって、マジiPhoneとか首からさげてそうだよなー!」
「やだー、そうなのー、うれしー!」

(えっ、今のセリフって、「褒め言葉」だったの!? どのへんが??)


「普通は寿司のにおいなんか嗅がねえだろ? でも俺はさ、……嗅ぐからさ」
「えーっ、マジですごーい!」

(えっ、今のって「自慢話」だったの!? どのへんが??)


「おまえってどんな音楽聞いてきたの?」
「えっとぉ、●●とか、△△とかぁ-」(聞き取れず)
「へえ。若いときから耳が肥えてたんだね。俺も若いころは●●とか…(続く)」

(20歳そこそこから見た「若いころ」って、いつ??)


王子とふたり、口数少なく串を噛みつつ耳をそばだててしまいました。
いやー、たまにはシモキタで飲むのもいいね。
思いがけない余録というか、面白かった(笑)。



バカリズム案!

バカリズム案!


シアターサンモールに来ました!


バカリズム大好きっ!

これから開演、超たのしみ!


(後記)

最高に面白かったです。コントも好きだけど、案も好きっ!

最後の1個を誰が食べるか問題、ついに決着!
福岡出身なんですーと言った人に「え、博多?」と聞く愚かさを証明!
日めくりカレンダーの意味をだらだら考えた結論は!?
お得意のひらがなネタも健在!

などなど、など。 相変わらずすごーい、外さないなあ!!

そして今回は、なんといっても、ネタの一歩手前である「雑案」が
めちゃくちゃにハイクオリティでした。

DVD化されたら必見ですよ。
買って損ないバカリズム、何度見たって面白い!


ちなみに明奈ちゃんも可愛いです

 
3月。4月。5月。


ああ。 そして6月もなかばにさしかかってきてしまった……。


9月末で、つまりあと3か月ちょっとで、

「毎朝毎朝、向井理くんが見られる」という、
ありえないほどスイートな時代が終わってしまうのですよ。


そう思うと、いまから悲しい、
気が早すぎるのはわかってるけど、すでに先走り悲しいのですよっ!!!!!



エエ、アホデスガ、ナニカ?




もちろんストーリーもいいんですけど、
世の多くの女どもと同じよーに、私にとって『ゲゲゲの女房』は、
朝の向井くんタイムです。
向井くんが水木しげる役。そのミスマッチが、既に面白いし(笑)。

まあ、いくら演技が上手でも、さすがに40歳過ぎには見えないんですけどね。
あんなにみずみずしく美しい四十男なんざ実在しないわい。

でもそのファンタジーがいいのよ。

実年齢通りの俳優さんがやるより、28歳の向井くんのほうが、
絵ヅラがさわやかで、なによりだ!
朝は、絵ヅラも大事!
だから某もんたが出てるとすぐチャンネル変えちゃうんだよなー、朝って!


『ゲゲ女』(そう略すらしい)は、松下奈緒ちゃんも絵のようにキレイだし、画面がよいです。
この女優さんは地味な服を着ててもゴージャスですばらしい。
眼福カップルであります。 毎日、癒される。


最近は、向井君が少女マンガ家役の南明奈ちゃんと並ぶ場面が多くて、
なんかデジャブというか、「ぼ、傍聴マニア!?」 と思ってしまいます。

で、そうだそうだ。
『傍聴マニア』を見て、王子が、向井くんがいい、いいと言い始めたのだった。
いま、書いてて思いだした。

それまで彼に何の興味もなかったんだけど、
王子がいいって言うと、私も好きになっちゃうことが多いなあ。



甘え

甘え


青山円形劇場なうですー。

これから観劇。本谷有希子さんの『甘え』。

主演は小池栄子さん。すきな女優さん。


チラシには夜這いとか書いてあるけどどんな内容なのか、
本谷節は健在なのか、水橋くんは生でもかっこいいのか、
うちの王子はちゃんと開演に間に合うよう退社できたのか、

いろいろとドキドキだー!


(後記)
ひじょうに面白かったです。

文学を演劇にした、という感じの観念的なお話なので、
好き嫌いは分かれるかも。



にょにょっ記

 
穂村弘さんの『にょにょっ記』がおもしろすぎる。

前作『にょっ記』もよかったけど、ますますパワーアップだ。


妄想と幻想が混入した、日記…のようなもの。
ほむらテイスト全開の超短編集だと思っていただければ。


いっぺんに読むのがもったいなくて、2~3日ぶんずつ大切に読む。

それでも、もうすぐ読み終わってしまう。 ああ。


せつない。


くすくすと、ときにあっはっはと、たまにゲラゲラと笑いながら読んでるけど。


せつない。

おもしろせつない。


もしも今、ドラえもんに会ったら、
読んでも読んでも読み終わらない『にょにょっ記』を出してもらおう。



もえます。

 
『少年メリケンサック』の宮崎あおいちゃんが可愛くてカワイクて、
もう悶え死にするほどかわいすぎて、

元気がなくなるとあおいちゃんメインのシーンだけをピックアップして
繰り返し見てしまいます。便利だぜ、DVD。


もう、男とか女とか人間とかを飛び越えた愛くるしさ。
かわいさ成分だけをコネコネしてこしらえた新手の動物って感じで、
少なくとも、女の子を眺めてるつもりでは見てないんだなー。
パンダやラッコの仕草を見て目尻を下げてる感覚にとても近い。


癒しです、あれは。



ありす

 
友人と、アリスインワンダーランド観てきました♪


夢見がちなアリスが、ウサギを追って落っこちたワンダーランドで大活躍し、
そこでの経験で勇気を得て、現実世界の生活でも大きな決断をするという。

ストーリーだけを取り出すと、大人が満足する内容ではありません。
ハリウッド的めでたしめでたし話は大好きですが、単純すぎるので
見終わったあとの満足感がいまひとつ。上映時間も短いし。
アリスがなぜすぐにハッターを信用したのかとか、
白の女王がなぜ人々に親しまれているのかとか、
そういう、人物の背景をもうちょっと丁寧に見せてくれたら
全体の「子どもだまし感」が薄れたんじゃないかと思いました。


いやー、でも、CGはとってもすごかったですよー。

すごすぎて、「CGだなあ」と思いながらみるというより、
普通の映像として違和感なくみてしまいました。
3Dは実写よりCGと相性がいいんで、3D酔いもしにくいんじゃないかな。

バートンならではの、「夢に出そう」なクリーチャーも楽しめます。


映像がよかったので、これはこれとして。



なりたくない。

 
ドラマ『ヤンキー君とメガネちゃん』で、鈴木亮平くんにハマりました。


顔はともかく、なんちゅー私好みのスタイルというか身体つきをしている人なんだ。
身長も、筋肉の付き方も、大陸系でステキ。
ヤンキー役なんだけど、雰囲気や仕草が、ひとつひとつ美しくて、
「演劇的」 というのでしょうか、ちょっとしたわざとらしさが、
非現実的でマンガマンガしたドラマの内容に合ってる。

もー毎週、亮平くん見るのが楽しみでさ。
(余談だけど27歳で高校生役はどうかと思うが。さらに余談だけど
主演の仲里依紗って竹内結子に似てないですか)


と、お酒の席で男友達に話したら、「若い男の子をみてキレイだなあと
ウットリしはじめたらオバサン化した証だよ」と苦笑されてしまった。

うっ。

実際、三十路すぎて急に「嵐ってかわいいよねー!」などと言い出し
年上に一切の興味を失う同年代女子がまわりに激増中。
「男も30代になると肌が汚くてダメね、肉もゆるむしさぁ!」なんて
言い放つ彼女たちは、自分のことを完全に棚にあげてるわけで、
考えてみればそういう「いい気なもんな品定め」は、太古の昔から
男がやってきたことではある。

こないだまで私は、そんな彼女たちを、
「ったく、グラビアをなめるように見つめたり、若い女ばっかチヤホヤする
オジサンの見苦しさと変わらんのう」と、冷たい目で見てたってのに。
ついにそっちに入ってしまったかと、確定ってことかと、うう、ガックリ。

さすがにジャニーズ系はなんとも思わないけど、そこまで行っちゃう日が
来るのかも。遠からず。


自分の容姿のおばさん化は素直に受け入れられてるんですよ。
(むしろいろいろと肩の荷がおりてラクになってきてるというか)

でも、内面にもその兆候があるぞと指摘されたら、
なかなかに動揺してしまいました。

その動揺って、突き詰めるときっと、
「母親みたいになりたくない」
っていう恐怖にたどりつく……ようが気がしてます。



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