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石垣りん

石垣りんについて、最近、ずっと考えています。
正確には、日常の隙間に、ふっと思い出します。

詩に興味のない方のなかには、ご存じない向きもあるかと思いますが、
つい先月26日に亡くなった高名な詩人です。

訃報を機に、思い出すことが多くなりました。


私は、詩を書くこと、読むことが好きです。
(「踊って猫に言い訳をする(文芸社)」という詩集を
共同刊行しています)
王子は、私の趣味を理解しようと、たまに本棚にある有名な詩人の
詩集を読んでいますが、たいていは「うーん…」と言って
投げ出してしまいます。
そんな王子が「この人の詩、いいね」と言ったのが、石垣りんでした。

硬い骨の一本通った、甘えのない、ぴりりとした詩。
何度、日常の分岐点で、この人の詩に励まされたかわかりません。

美しい菓子を食べるように、ひらひらと摘みたい詩があります。
甘い感傷を噛みしめるために、余裕を持って開く詩があります。
あるいは、くすっと笑って元気を出すために持ち出す詩があります。

石垣りんは、私にとって、そのどれでもない詩人なのです。

攻撃的ではない、たおやかな厳しさ。
美しくあるために美しいわけではない言葉たちは、
けれど一粒一粒が容赦なく選別されていて、ひどく美しいのです。
生きる。生きてゆく。世間のなかで、人々のあわいで。
その、骨子の部分をいつも透かして見せてくれるような。

読むたびに、背筋を正される思いがしました。
静謐な気持ちになりました。
桟に塵ひとつ積もっていない、丁寧に掃除されている障子や、
ぴかぴかに磨きあげられた年代物の道具、
念入りに乾拭きされて飴色に光る木の廊下。
そんなものに感じる、犯しがたい緊張感と、慕わしさ。
こうありたい、と、思いました。いつも、なにかの角で。


これからも、ことあるごとに読むでしょう、私は。
けれどその一身上の思い入れとは別のところで、
いま、読まれるべき詩であると思えるのです。

「雪崩のとき」という詩があります。
(著作権の問題があるので私はここに書きませんが、
ただいまググッたところ、全文を引き写している人を見つけました。65番↓)
http://homepage3.nifty.com/pond/heiwa/message.html
ただ、ネットなので、横書きです。
縦書きで、紙媒体の詩集にて、読んで欲しいとは思います。


1951年に書かれたものですが、再読してみてください。

警鐘という言葉の陳腐さ、安っぽさを超えた詩。
やわらかな口調の奥の、透徹した視線。
何一つ糾弾の言葉はないのですが。

ぞっとしたあと、胸が痛くなります。
こんな時代に、私たちは住んでいるのだと。

石垣りん。最近、心を離れない詩人です。


==========

さて、日記です。
今日は、王子が、俺も詩を作ってみるぜ、と、
勢い込んで詩作しておりました。
私の趣味をわかりたいのだそうです。
「書けたー!」と得意になっておりましたが、見せてくれません。
まあ、その、いいんですけどね。
いいものが出来たら見せてくれるそうです。楽しみです。

もっと気軽に、肩肘張らずに、お菓子をポイッと摘んで
口に入れるように、詩を読む人が増えればいいなあと思います。
素敵な詩人がたくさんいるんですから。
ネットで増殖してる自称詩人にはクッダラネエのが多いけど。


食べ物備忘録。
昼食に、お揚げ入り親子どんぶりを作りました。
ねぎ、お揚げ(油抜き)、鶏肉、たまご。
出汁は、鯖節で取りました。みりん、酒、薄口醤油、醤油。
たっぷり出汁を吸ったお揚げと玉子は出会いモノです。
美味しいですよ〜。親子丼より好きなんです☆

アルザス地方のワイン、ネットで注文してたのが届きました。
ゲヴュルツトラミネール5本。
花のような、ハチミツのような、甘く素晴らしい芳香がする、
辛口の白ワイン。
香りは甘く華やかなのに、味は辛口、ってのが好きなんです。
アルザスワインはとっても美味しいのに、
ボルドーとかブルゴーニュに比べてマイナなせいか
なぜか安く手に入るので、たまにまとめ買いします。
ゲヴュルツトラミネールは特に香りが強くて、
花束に顔を突っ込みながらワイン飲んでるみたい。大好きです。

夕食は、ワインに合わせるため、洋食。
コショウとにんにくを効かせてやわらかく仕上げたポークソテー。
ベーコンと玉葱を白ワインで炒めてハーブで香りをつけた
ホワイトソースを作り、正月のあまりの餅を小さく切って
餅のグラタン。チーズたっぷり。
パプリカのバターソテー。
とっても美味しかったですよん♪

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コメント

勢い余って「書いてみる」と言ってはみたものの、
人に見せるとなると恥ずかしいものですな。
ほとんど詩を読んだこと無いから定型がわからないし。(この辺は職業病)

石垣りんの詩は本当に良い詩でした。
他に記憶に残っている詩は、三国志ネタで曹植の書いた”豆”の詩です。42巻です。

今日も詩を書いてみました。気が向いたら見せますね。

えへへ、コメントありがとです☆
曹植の豆の詩は私も覚えてるよ。
豆と豆ガラを兄弟に譬えて兄の怒りをほぐすの。
「七歩歩くうちに詩を作ったら許すが、できないときは死罪」なんて、
昔の人はイジワルも悠長だね。
そして過激。

二日連続で書くなんて普通にすごいと思います。
あなたの書く詩って、どんなのかしら…想像がつかないよ。。。

若崎さん、本は本名で出しているのね。^^;

そして、プロフィール内の興味あることに中島らもを発見!
私も中学高校時代はよく彼の本を買ってました。
アングラな笑いの要素がたくさんあって、大好きでした。
父親にはそんな奴の本読むなっ!って言われてました。
父親は、らもさんを完全なる犯罪者扱いしていました。
そうかもしれないけど・・・(苦笑)

私のページから、リンク貼りました。
リアルでもお世話になってます☆って書いちゃったけど、
大丈夫かな?(匿名性が薄くなっちゃうけど)

村長さま>
早く、多くの人に披露したい(してもいい)と思えるような詩を
完成させてくださいね!楽しみにしています!

岩崎さん、こんばんは!
そして私のくっだらない事ばっかり書いてるブログにお越しいただきありがとうございました。

ライターさんをされているのですね~?
どうりで文章を書かれるのがお上手・・・
私は文章力がないので、文才ある方が羨ましいのですよ(^^;) 
 
私も下のちえこサンと同じく、プロフィールを拝見させていただきました。
中島らもさんは私も好きです。
小説ではないのですが、カネテツだったかの月刊かまぼこ新聞とか好きでしたねえ~。
小説よりもエッセイの方が好きなので、姫野カオルコさんや中村うさぎさんは好んでよく読んでいます。

お気に入りに追加しちゃいました。
またお邪魔いたします♪
詩の世界は全く分からない分野ですので、これから色々と興味深く読ませていただきます。

はっ ししまった!!
岩崎さんじゃなくて、若崎さんだったのですね?

大変失礼しました~~~m(_ _)m

>ちえこ様
リンクありがとぉ~~嬉しいです☆
そうそう、本は本名(ひらがな)です。
親が「本名にしろ!じゃないと人にあげられん!」と言ったから。
らもさんの初期作品が大好き。「水に似た感情」以降はキライなんだけど。
破滅型の男に弱いのです。うふふ。

匿名性は薄くてもバレてもかまいません☆
困るのは王子でしょう。アハー

村長はぜったいに見せてくれません。ファイルも隠してしまいました。ちっ。


>ランさん
きゃあ☆ きゃあ☆
ありがとうございます!!!
来てくださるなんて!!!
嬉しすぎる…嬉しいです、まじで。

ハイ、わかさきです。
IME変換で一発で出ないので語句登録しているのですが、
最初「岩崎」という字句を「わかさき」という読みで登録してました。
そんなミスをやっちまっていた私です。なにも気にしないでください。

ランさんのブログは、とってもとっても楽しいです!
香水についても詳しいし、日常の何気ない日記も面白くてグーですっ。
まだバックナンバーで読んでないものがあるので、
これからちょくちょくお邪魔します、よろしくです。握手。にぎにぎ。

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