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美しすぎて目が覚めた

とても美しい夢を見たので、寝覚めの気分が美しい。
滅多にないことです。


どこか、南の…インドのような、沖縄のような、
ベトナムのようなところで、
砂浜に倒れているガジュマルに似た木を見ていたら、

一人の女の子が、
「船の乗り方を教えてあげる」と話しかけてきます。


「船の乗り方?」
「そう、こうやって、菰の上に寝そべって、体を平たくして。
船縁をつかんで、落ちないようにするのよ」


見れば、砂浜の上に、
木で組まれた大きめのボートを、簡単な鎖で幾つも繋いだ
原始的な船団があります。

各ボートの上には荷が積載され、上に菰がかけられていて、

どこかの国には今もこうして荷を運ぶ習慣があるのかしら、
という情緒のある風情。


女の子の言うように、菰の上に寝そべり、縁をつかんだとき、

静かに船団は海に滑り出しました。


ボートは、菰のぎりぎりまで沈み、海水が時折体にかかります。

横向きに寝ている私の目線は、ほぼ海面。

キラキラと飛ぶトビウオ。
反射する光。


不思議と揺れの激しくない船に、しばらく身を任せていたら、
女の子がふいに大きな声を出しました。


「これを見せたかったのよ!ねえ、見て!」


半身を起こして船の下をのぞき込むと、船はなぜか
大きなバザールの上空を、かすめるように飛んでいました。


バザールにならぶ、色とりどりのあざやかな花。
睡蓮のようなもの、牡丹のようなもの…

見たこともない多種の花が、ところせましと、
何十万、何百万も咲いている。花の市です。


カーマイン、マゼンダ、パイングリーン、カナリアイエロー、
バヂターブルー、ホワイト、インディゴ、モーブ…。

配色の大胆な、南国らしい花たちは、
花弁がどれも三重、四重になっています。


ひとつひとつの花は、大人の一抱えよりも大きく、
花弁の厚みもあり、ずっしりと重たげです。

その茎も負けじと太く、みずみずしく、
笠になるほど広い、濃い葉を広げ、

天に向かって誇らしげに自らの美しさを誇示している。


大輪の一花が、朝露をはじきながら、目の前で開きました。
花が音を立てて開くところを、初めて見た気がします。

弾けるように開いたあとは、
ゆっくりと伸びをするように、一枚一枚の花弁を反らせ、
南国のオウムのようにビビッドな配色を明らかにしてゆく。


どこまでも続く、巨大な花たちの競演。
むせかえるように鮮烈な、色彩の洪水。


こんなにも美しい光景が、世界にあったなんて…。


声も出ない。涙もでない。

ただ、瞳孔をいっぱいに開いて、
おびただしい数の花たちに見入りました。


ずいぶん長い飛行のあと、ようやく花の市が途切れ、
人で賑わう一角に来ました。

テントの下には、野菜。肉。道具類。
こちらを見上げる人たちの顔。


ああ、この船はバザールに荷を運んできたんだ。


なぜかすんなり納得し、そこで目が覚めました。


…世界にどこかにあるのなら、見てみたいものです。



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