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映画「サイドウェイ」

3日の日曜日、王子が草野球に行っちゃったので、
下高井戸シネマに映画に行ってきました。


映画は、一人で行くのが好きです。

誰かと行くのもそれはそれで楽しいけれど、
終わってすぐにしゃべるとこぼれてしまいそうで。

しばらく黙って温めていたい気がするのです。

(…いい映画の場合は。
くだらない映画は、「金返せー!」と言い合って楽しみたい)


さて、本題。

サイドウェイを見ました。

あらすじ***

30代後半、冴えない小説家志望の英語教師マイルスは、
大のワイン好き、ワイン通。妻と2年前に離婚してから、
未練タラタラ、沈みっぱなしで、安定剤が手放せない。

ジャックはかつてはそこそこ売れていた二枚目俳優。
陽気で遊び人、かつ女性関係に懲りることを知らないが、
そろそろ落ち着く頃だと観念し、結婚を控えている。

やっと書き上げた長編小説を出版社に渡したマイルスと
1週間後に結婚式のあるジャックは、
出版の前祝いと結婚祝いを兼ねて旅に出た。

ワイン三昧、グルメ三昧、ゴルフ三昧の気楽な男二人旅…
の予定が、ジャックの狙いはガールハント。
「結婚前にやりまくる!いいか、陰気な顔して俺の邪魔をするな!」

旅の途中、昔よく足を運んでいたワインバーに立ち寄ったマイルスは
ウェイトレスのマヤと急速に接近する。
かつて結婚していたマヤも、今は離婚して独り身だった。

マヤとマイルス、マヤの友人ステファニーと、彼女を口説き落とした
ジャックの4人は、ピクニックにワイナリー巡りなど、
楽しい時間を過ごす。

お互いに好意を寄せ合うマイルスとマヤだが、自信を喪失し、
臆病になっているマイルスは、美しく聡明なマヤに対して
なかなか1歩を踏み出せない。
やがて、旅の期限、1週間がやってきた……。

(あらすじおわり。うーん、長くなっちゃったわ)***


たいした事件もないのに、最後まで楽しく見られました。

主人公は冴えない中年男ですが、物語は正統派の
ボーイミーツガールです。


小難しいこと、抜き。
「アメリカ映画の良さ」を久々に堪能しました。


なんだか…なんだか無性に恋がしたくなっちゃったよー!


ワインにうるさく、小難しい純文学を書いているけれど
臆病で不安定で、すぐにキレるマイルス。

どうせ俺なんか、と言いつつ出版を夢見る中年男の、
突き出た腹とハゲっぷり、悲哀あふるる佇まい。

これは「男の人の可愛らしさ」の、一方の極みでしょう。
濡れた犬のように哀れで、思わず、

「大丈夫、元気を出して、あなたは素敵な人よ」

なんて慰めたくなってしまいます。 いかんいかん。

対するジャックは単純で陽気なマッチョイケイケおじさんですが、
「おまえは小説を書き、ワインを飲む人間だ。
俺のこの持て余すような飢えはわからない」(セリフうろ覚え)
と、ナンパへと自らを駆り立てるどうしようもない「何か」を語ったり、

「安定剤を飲んでるのか?薬なんてクソだ、ペニスを使え!」
と離婚の傷から立ち直れないマイルスをどやしたりと、
なかなか名言が多いのであります。

そして、ハプニングから結婚指輪を浮気相手の家に置いてきたと
わかったとたん、みるみるべそをかいて、
「あれがないと、クリスティーヌ(婚約者)に捨てられてしまう、
彼女を失うことだけは耐えられない!」
と子どものようにぐしゃぐしゃに泣き始めるシーンったら!

さんざん浮気しといてそれかよ、ったく男ってヤツは!

と、毒づきながらも、「やばい、かわいい…」と思ってしまった女は
私だけではあるまいっ。
これまた「男の人の可愛らしさ」の、東の横綱なのでした。


つまり、
「ホントにもう、しょうがないんだから」 という言葉を
女から引き出すことのできる男が、「可愛い男」なのだな。

ひとつ賢くなりました。


他に印象深かったことなど、ひとつふたつ。

<登場人物がみんな普通にダサイ>

アメリカ西海岸の、ごく普通の人たちって、そういえばこんな
格好していたな、と思い出しました。
日本のおっさんとそれほど違いはありません。
雰囲気がよく出ていました。

<マヤ(ヴァージニア・マドセン)の知的な美しさがイイ!>

これぞ、大人の女性ならではの魅力!
ハタチの娘の隣にいても、確実にマヤは男の目を惹くでしょう。

知性とは、自分をよく知っているということです。
40才を過ぎたら女はこうありたいなあ。素晴らしい。

そして、ワイン通のマヤが語っていわく、

「ワインは人生に似ているわ。
ピークを迎える日まで、日ごとに熟成し、複雑になっていく。

ピークを境にワインはゆっくり坂を下りはじめるの。
けれど、そんな味わいも捨てがたい…」

こんな言葉でやんわりとマイルスを誘うマヤの優しさと、色気!

…痺れました。


全体的には、明るく笑えるコメディタッチです。
ピークを過ぎた大人の方にも、
「年を取ったらいいことなんてなさそう」なんて思っている
若いあんちゃんにも、おすすめします。

素敵な映画でしたよ。



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・2005/07/17 (日)  昨日、CDTVを観てから寝たにも関わらず、朝6時に快適な目覚め。やっぱり休日は良いな〜♪ 昨日Amazonから届いた『M.I.Q』(クロパンダ)3巻を読了。    元々マガジンで読んでいたけれど、これからは本気っちゅ〜コトで、まずは漫画から始めてみた。何故3巻っていう... [続きを読む]

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