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ウィーンに行きたい!

 
ウィーンにいきたーい!!!!!

ただいま、世界遺産のムックをつくっておりまする。
いろんな国を一夜漬けしてライティング中。


編集さんの好意で、行ったことのある国を優先してまわしてもらってます。
で、現在、ウィーン歴史地区を調べていまして…


あーここ行ったなあ! とか、ここは時間がなくてあきらめたんだ!
とか、思い出がぽろぽろ出てきちゃって。

また行きたくてたまらなくウズウズしております。


はい。急に飛んでいくかもしれません。


ヨーロッパに行ったのはウィーンが初めてだったので、もうノックアウトでしたよ。
その歴史の厚みと、異質感に。

「外国の歴史って、日本とぜんぜん違うんだなあ!」

と、バカみたいに口をあけっぱなしでした。



***


「グリュスゴット!」

最初に覚えた言葉。みながそういって微笑むから。こんにちは。

目があったら、自然に微笑む人たち。
エレベータで乗り合わせるだけで、挨拶をしあう。
不思議に思いながら、つられてまねをした。
グリュスゴット! こんにちは。神の祝福あらんことを!


ホイリゲの楽しみに、まずはおぼれた。

気軽に、気取らずにワインを飲みながら、
まっかになって笑いあうおじさんたち。世界共通、ビアホールみたい。

ウィーンの森で迷っちゃって、とことこ坂道を下りる途中で
ふと見つけたホイリゲは、アイスバインもケーセも、ジョッキになみなみと
つがれたグリューナベルトリーナも素敵に美味しかった。
山の中腹をわたる風も、とても爽やかで。


世紀末芸術の都。
ずっとずっと本物が見たくてたまらなかったエゴン・シーレを生で見たときの、
殴られるような感動。
レオポルドミュージアム。


遠目に見て、あまりの美しさに走りだしてしまった
ベルベデーレ。一刻も早く近づきたくて。
大嫌いだったクリムトの「接吻」、実物をみたら偏見がふっとんでいった。
ひたすら静かで、抱きしめたくなるほど、切ない。
苦しいほど誰かを愛したいと思った。傷ついてもいいから愛したいと思った。
たいせつに、たいせつに、愛したいと。


ベートーベンフリーズに囲まれてうたた寝したセセッシオン。


歩いても歩いても広がる王宮の庭園。
誇らしげなカール大帝の銅像の下、すっかりクセになったミット・ガスの水を
一気に空けた。
ウィーンにしては日差しの強い5月。


ウィーンフィルのコンサート。
2階席のパイプ椅子は座り心地が悪かったけれど、クラシックオンチの私も
心がふるえた。
あまりにも、音が「生」で。
歴史にくすんだ石の壁や手すりに無防備にひっかかって、
雑音を連れたままここに届く音の、その、魅力。深み。
音質がクリアであることだけが、音響ではない。
小さな喫茶店で、目の前で奏でられているような、生きて到着する音。
最先端のコンサートホールでは感じたことのない感動。


食べ物は、なんといってもプラフッタのターフェルシュピッツ!
連日のコッテリした料理で参っていた胃にしみる牛のスープ、
それで伸ばしたほうれん草などのピュレ。
スープをとったあとの肉は、やわらかくほどけて喉をすべる。
今でも思い出すと胃がキュウと泣く。

期待したほどウィーンのトルテ類はおいしくなかったし、
パラチンケンは「これをクレープと言い張ったらフランス人に殺されるよ」
というほどまずかったけれど、
プラフッタがあるんだからどうでもいい、とまで思った。


石畳の街。
あるけば歴史にぶつかる街。
人は素朴で、あまりお洒落ではなく、売っている服も冴えないものばかり。

それなのにギャラリーや雑貨ショップは素敵なアートが満開で、
いろいろな店に立ち寄っては、誘惑に負けて花瓶やカードを買った。
気に入ったのは、ふくろうの花瓶。
レジに持って行くと店員の女性は、
「ナイスな選択だ、無名の、若いアーティストのものなのだが、
この花瓶には物語を感じる、彼は成功するだろう」と、
ドイツなまりの英語で語りながら、キャンドルをおまけにくれた。


たくさんの通り過ぎた風景たち。うつくしい街に、グリュスゴット!

今日もウィーンの人々に神の祝福あらんことを。




***


ここまでキレイにまとめといてなんですが、写真を一枚。
ベルベデーレ宮殿の彫刻です。

勝手につけたタイトルは
「ぜったいにヤッてるおっさんたち」


wien0001

うがー。


***

余談。

王宮に行って、シシィのことをなぜかすべて知っていることに気づいた。
そういえば、本をいろいろと読んだ記憶がある、
無意識にファンだったのかしら、と思って、ああ、違う、
そういえば高校生の頃、フランツ・ヨゼフにとても惹かれていた、と、思い出した。

あの神経質で沈痛な面持ちと、数々の悲劇にあった生涯。
私はフランツ1世の孤独に、ほとんど宗教的に入れあげていた。
その伴侶が、あのシシィなのであることにも。

生真面目で面白みのない不器用な王の、生涯でただ一度のわがままは、
奔放で利己的で、手に負えない獣の魂をもった、
妖精のように美しいシシィを妃にしたこと。

シシィが殺されたとき、フランツが侍従にもらしたとされる言葉、
「私がどれくらいあの人を愛したか、あなたにはわかるまい」
その静かさと激情が胸を打つ。

フランツはきっと、シシィが生涯自分を愛さなかったことを知っていたと思う。
本来の婚約者であったシシィの姉を断って、無理を通してシシィを妃にした
ときも、生涯この女が自分のものにならないことをわかっていたと思う。

それでも、手折った。
宮廷という、彼女には不似合いな檻に閉じ込めることを承知で、
ほとんど泣く泣く、彼女を自分のものにした。

そして、全力で彼女の無理に応えた。
宮廷を嫌う彼女に好きに旅行をさせ、斜陽の帝国のなかでひとりもくもくと、
馬車馬のように律儀に働いた。

シシィはそれを当然のように思い、決して満足せず、
「結婚は不合理な制度よ。30年も後悔しつづけているのに解消することも
できないわ」と言い放ち、なにひとつフランツに感謝することもないまま、
奔放な旅を重ね、あげく、あっけなく暴徒に刺されて死ぬ。天晴哉。


私には、男と女の関係の、あるひとつの典型に思えてならない。




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