ALWAYS 三丁目の夕日
香港映画フリーク友達・アキラちゃんと、「ALWAYS 三丁目の夕日」を
見に行ってきました。(11/23)
製作国:日本
公開:2005年11月5日
監督:山崎貴
原作:西岸良平
出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、薬師丸ひろ子 ほか
<あらすじ>
昭和33年、東京都下町の夕日町三丁目。
短期だが男らしい父・則文、やさしい母・トモエ、やんちゃ坊主の一平が
暮らす自動車修理工場「鈴木オート」に、東北から集団就職で上京してきた
ロクちゃんが仲間入りする。立派な自動車会社を想像していたため
ガッカリしているロクちゃんに、一平がそっとささやく。
「もうすぐ、うちにテレビが来るんだよ!」
それは夕日町の人にとって、現在最大の関心事だったのだ。
ロクちゃんは些細な行き違いから則文と大げんかするが、
夏になるころには鈴木オートと夕日町の一員として溶け込んでいた。
鈴木オートの向かいにある駄菓子屋には、茶川竜之介という
売れない小説家がいる。通称・ブンガク。投稿しては落選している彼が
新しくできた飲み屋でいっぱしの口をたたいていると、
飲み屋のおかみ・ヒロミは、酔っぱらった茶川を色仕掛けで丸め込み、
預けられて困っていた友人の子・淳之介を押しつけてしまう。
そこから茶川と淳之介の奇妙な共同生活が始まるのだった。
春から夏、そして冬にかけて、夕日町には、悲喜こもごもの事件がおきる。
鈴木オートにテレビが来た日、ロクちゃんが食中毒になった日、
淳之介と一平が高円寺まで大冒険をした日、
茶川がヒロミにプロポーズした日、淳之介にお迎えがきた日…。
そして、すべての人々を見下ろす東京タワーが完成する。
まだ町ぐるみのつきあい、人情が生きていた、そんな東京の物語。
***
見始めてからしばらくは、いまどきの映画には珍しい
「わざとらしさ」になじめませんでした。
なんせ、登場人物が、誰一人「自然でリアルな演技をしよう」
なんて思ってません。
オーバーでティピカルな演技は、「舞台」っぽい。
そして、ホロリとするお涙頂戴のシーンが次々に挿入されます。
日本映画がお得意の、人情路線。
「うわ、こういうモロな人情ものって苦手なのに」 どうしよう…。
なーんて思っていたのは、最初の30分だけでした。
普通なら中盤とクライマックスにしか挿入されない涙ホロリの
エピソードが、この映画では惜しみなくばんばん出てくるのです。
「これでもかこれでもか、そりゃそりゃそりゃそりゃ!」という
感動の波状攻撃に、久々にマイッタ。
人情ものって陳腐になりがちだけど、ここまで徹底されると巻き込まれます。
最後なんて、感動場面のテーマソングがたらり〜♪と
流れるだけで、条件反射的に涙腺がゆるむパブロフな身体に!
徹底して善良な人間だけしか出てこないから、さわやかに、
素直に泣けるんですよ。
ロクちゃんと鈴木一家の絆に、淳之介の汚れのなさに、
飲み屋のヒロミと文学崩れの茶川の純愛に。
手が届きそうで届かない、遠い幸福と、甘い感傷。
そうなってくると、吉岡秀隆の、何を言ってもウニャーと聞こえる
鼻にかかったハイトーンボイスや、やけに発声のいい薬師丸ひろ子の
セリフまわし、全体的に舞台っぽい演技もまったく気にならないのです。
だってリアルである必要なんてないものね、この映画は。
おとぎ話なんだから。
ある種のパラダイスの話なんだから。
実際にはロクちゃんを手込めにする主も多かったろうし、
道ばたでのたれ死ぬ、あるいは虐待される淳之介も、
根っからあばずれで腐りきったヒロミも、大勢いたことでしょう。
だからこれは仮想現実で、ユートピアで、おとぎ話なんですよね…。
おとぎ話は、いつだって「伝えたいこと」のみを抽出し、
ノイジーな要素をきれいに排除する。
徹底した偏見と偏重だけが、時代を超えて人の心を揺り動かすんです。
カップルでも親子でも、どなたとも安心してご覧いただけます。
心がささくれて渇いていると思ったら、イオンサプライしに行って下さい。
関係ないかもしれませんが……
私はこの映画を見て、
あずまきよひこの 「よつばと!」 を思い出しました。
あのマンガは、この映画に近いものがあるなあ、と。
日常に仮託されたユートピア、終わらない休日というパラダイス、
親しいものだけで完全に閉じられた円環、
「善良な人間だけが送る何気ない日常」 という、あり得ない幸せ。
現代のおとぎ話という本質が、非常に似ていますよね。
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TBありがとうございました^-^
「パブロフな身体」に納得!
もう、ほんと満腹な中にさらに極上のおいしさを詰め込まれて、
涙が乾く間なんかありませんでした。
私もTBもらっていきますね~
投稿: izura | 2005年12月 2日 13時11分
TBありがとうございました
この映画の演技が嘘っぽいって言うのはそうかもしれません
俺も最初の30分くらいは半分寝ていましたから
寝たばれですけど、履歴書を嘘ついた嘘ついてない
ってとこあたりで目が覚めだして
一気に見てしまいました
関係ないですけど
凄い独自な映画レビューをされているので
凄い個性というか文才を感じてしまいました
投稿: kazoo(音楽業界をぶっ飛ばせ!!) | 2005年12月 2日 19時48分
TBありがとうございました。
なるほど、「よつばと!」ね・・・。
確かにある種のスローライフというか、ありふれている描写なんだけど
実際には非日常というのは共通するかもしれませんね。
投稿: ノラネコ | 2005年12月 2日 23時45分
>izuraさま
コメントありがとうございました!
最後の方は涙の波状攻撃でしたね。
でも爽やかな感じです。
後味の悪い映画が嫌いなので、これは見て良かったです☆
>kazooさま
コメントありがとうございました!
そうですよね、あの履歴書のシーンから私も堤真一の漫画チックな
怒り方とかにグッと惹きつけられてしまいました。
堀北嬢は可愛すぎです~!! ファンになっちゃいました。
もったいないお言葉ありがとうございます(*^^*)テレ
>ノラネコさま
コメントありがとうございました!
よつばと! 大好きなんです。
寝る前に読むと浮き世の憂さを忘れられるというか…。
どうしてヲタがあの作品に「萌え」られるのかわかりません。
普通にのほほんと面白い気がして。うーむ。
投稿: 若崎 | 2005年12月 5日 09時54分
はじめまして、TBさせて頂きます。
そういえば、「よつばと」に雰囲気が似ている映画かもしれませんね。
全体的に、あたたかい映画に感じました。
投稿: 出田(nao) | 2006年1月 8日 09時54分
出田さま
トラバどーもです! また遊びにきてください♪
「よつばと」はみょーに好きなのです。
なにも起きないのに、なんだかいくらでも読んでいたい…。
世界がカンペキにあの中で完結しているところが
ストーリーマンガなのに4コマっぽいですよね。
投稿: 若崎 | 2006年1月13日 18時37分
「条件反射的に涙腺がゆるむパブロフな身体」という表現が絶妙ですね。分かります。僕も散々やられました。ここ数年日本映画のレベルが確実に上がってきていることはうれしいことです。
投稿: ゴブリン | 2006年1月15日 16時16分
ゴブリンさま
やられますよね~、もう「こんな展開になるのはわかってるのに!!」と
思うつぼにハマってる自分が悔しいながらも泣きましたよ。
また遊びに来てください☆
投稿: 若崎 | 2006年1月26日 18時10分