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深まる秋の中で

 
珍道中も一段落して、家で地味に鍵盤を叩く日々が
昨日今日と続いております。

ぐったり疲れていたはずなのに、帰ってくると外に出たくなる。
わがまま? 自覚あるわよそんなの。

大分も軽井沢も、山あいでの撮影と取材だったから、
空気の清さと景観は飛びっきりでさ。

ひさしぶりに季節を満喫できました。秋ほど光が透明な季節って、ないね。


大分の阿蘇外輪山は、秋というのにムンとする草いきれが
湿気と共に香り立っていました。 いさましいポテンシャルを感じる山。
活火山の熱気と、伏流水の豊かなうるおいが、陰陽のように絡みあう。

渦巻いている、崇高にして猥褻な、たくさんの生命の気配。
夏にはさぞかし手強い下生えたちが、
ギャングのように我が物顔で一面を覆い尽くすのでしょう。


軽井沢の森は大分よりも乾いているの。
ウィーンの森のように、さらっとした清潔な空気の肌触り。

とても静かなのだけど、耳をすますと、葉の降りしきる
さらさらさら……という音が、なにか、とても大切な内緒話たちのようで。
ひとつひとつはかそけき音たちが、連なり、重なり、山を満たす。
気づいてしまうともう耳からは追い出せない、それは神聖な音楽でした。


仕事? しましたとも!
インタビュー時間以外は、カメラマンの小坊主として走り回ってましたよ。

空き時間には栗のぬけがらやどんぐりを拾って歩きました。
たまに中身が入っていても、虫や小動物にあちこちを食いちらされています。
私の目につかないところで、いろんな命たちが元気なんだということが、
たいそう有り難いヒミツのように思えて、感動。

木の実を拾う途中、ふと腰をのばし、木々の高みを見上げてみる。
ケヤキの梢を見つめる感情の動きを 「ああこの気持ち」 とあらわした
梶井基次郎としばし一体になれること請け合い。

目を細める。ああこの気持ち。そうとしか言いようがないなあ……。


仕事以外の収穫は、
大切に味わうべき玄妙な季節が飛ぶように過ぎていってることを、
ひりひりとわかってしまったこと。

惜しむ気持ちが五感を摩擦し、ああもう、私だって飛び出したいよ、また。
深く濃く熟れてゆく秋の中へ。


11月の終わりに、京都か平泉に行こうかなと思っています。
もう紅葉が終わったあとに。
冬との境目を見極めに。



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