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「うざい」問題

 
「うざい」と言われて傷つきますか?
私は、うーん、とくに傷つきません。


しょっぱなからこんな出だしで、なんだか問題提起でもしているみたいですが、
そんなんじゃありませんよ、いつも通りのおきらく日記ですからご安心を。


もちろん、顔をゆがめて、軽蔑と悪意満々で、
三日間ひっかかってたタンを吐き捨てるような、もう存在を殺す! という勢いで
「うざっ!」
と言われたら、イヤな気持ちしますよ。そりゃもう。がちょーん、と。

でも、そんな調子で言われる言葉って、「うざっ」じゃなくてもさ、
たとえば「天才!」「最高!」「しょうゆ!」「サバ!」「クサヤ!」「電卓!」
とかでも傷つくと思うのね。言わないだろうけど。

言葉以上の、こめられた悪意ビームにに傷つくわけだから。

なので、そういう「死ねと同義の言葉」としての「うざい」は置いといて。

「あんたって、ちょーうざー」とか「そういうの、うざい」とか
「なんか、うざーい」とか、そういう、テンション的には会話調、って感じの
文脈の中で「うざい」が出てきても、私はわりと平気、という話です。


でもね、長野→群馬出身の王子や、東北出身のNちゃんは、かなり致命的に、
ものっすごく傷つくんだって。
うざい、という単語は、全否定だ、というのね。


なんでだろう。考えてて、ふと思い至った。
福岡(佐賀・長崎・大分)弁には、「うざい」としか訳せない、ある単語がある!

それは「しぇからしい!(せからしい、しからしい、しゃあしい)」であります。

もたもたメニューなど選んでいては 「しぇからしかったい、早よせんか!」
言い訳しては 「聞きとぉもない、しぇからしか~、もう!」
こみいった相談をしては 「しぇからしかこつ言うな!」
人生に悩んでは 「しぇからしかこつ考ゆんな!」
めそめそしては 「かーっ、もう、しぇからしかヤツたい!」

女言葉で直訳すると、

「早くしてよ、うざいわね!」
「聞きたくないわよ、ああ、うざい!」
「うざいこと言わないでちょうだい!」
「うざいのよ、そういう考え方って!」
「てゆーか、あんたって、うざい!」

関東人ならインポ(失礼)になりそうなセリフを、
まだ 「うざい」 という単語の開発されるはるか以前、物心つくまえから、
親に、祖父母に、兄弟に、友人に、日常会話の一貫として、
言われて言われまくって育つのが15年前までの福岡人のデフォルトでした。

いままで「面倒くさい」と標準語訳されがちだった「しぇからしい」ですが、
そしてそういう意味に取れる用例もあるにはあるんですが、
(←たとえば、試験や、頼まれごとなど、事件を評するときは「めんどい」と同じ)

こと対人に使う場合、「面倒だ」 などという上品な響きはなかった、と、私は思う。

もっと「切り捨て御免、問答無用、しぇからしいヤツに人権なし」という
憎々しい捨て台詞でした。
弁解の入る余地のない、忌々しさ100%の評価なのです。

(余談ですが、私は上京して何に感動したって
「東京の大人たちってなんて優しいんだろう」と感動した。
うわべだけだと言う人もいるが、全員が全員とぶつかり稽古のような
つき合いをするわけでなし、人間、うわべがすべてだろうよ)

よって、

「うざい、という言葉のない時代に福岡(など九州北部)で育った大人は
"うざい"という言葉に強い」

という仮説を立てているのですが、いかがでしょうか。

逆に言えばですね、もし 「"うざい"には傷つく」 という20代なかば以上の
福岡(など九州北部)人がいたら、今度から、
「あれはつまり "しぇからしい" と同義なんだ……」 と思ってください。

きっと、心の負担が軽くなるはずです。

(ただし「うざい」という言葉と悪意とを明確に結びつけて育った
「うざい」に「解釈の必要がない」20代前半以下の世代には無効)




こんなこと書いたのは、ですね。

30代なかば以上の人は、あまり会話中「うざい」って聞かないでしょ?

でも、私の年代は、ちょうど「うざい」過渡期でね、
しっくり馴染む言葉ではないけど、「心ざまの浅い人」 との会話には
けっこうな確率で頻出する単語なわけです。

だからなのか、友人と話してて、俎上に載りやすい。
「25歳以上なのに "うざい" を多様する人ってバカっぽいね (ホントにね☆)」
「でも言われるとドキリとする」「実は気にする」 なんていうふうに。

人に向かって軽々しく「うざい」なんて(評価を含んだ)言葉を言えるヤツは、
ろくな人間じゃないですよ。下の下の下郎です。
「しぇからしい」の持っている、伝統の練り上げてきた民族的美学が
「うざい」の背後にあるわけでなし。

若者しか使わないってとこがまた、下品なトンガリを与えるよね。
これが老若男女が普通に使うレベルの単語にまで上り詰めたら、
「うざい」の持っている排他感は、ものすごーく薄れると思うけど。

で、これが自分の子どもだったら半殺しにして身体に教えこむわけですが、
そうもいかない圧倒的に多い場面においては、
だましだまし、下品なバカとの摩擦を極小に留めつつ、
無駄に傷つくエネルギーを回避していくのが実践的な大人の態度なわけで。

上記の「しぇからしか」訳は、私なりの自己防衛法でもあったのかな、と。
九州北部で育った大人限定に対してしか参考にならないけどさ。

最善策は「そういう下品バカとはつきあわない」だけど、
そうもいかないとき、あるもんねえ。

「うざい」程度に傷つくなよ。という意見もあるでしょうが、
そこはほら、やわいからさ、私も。友人たちも。見逃してくだされ。




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