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たまもの

 
本日12月30日発行の日垣隆さんの有料メールマガジン『ガッキィファイター』
にて、神蔵美子氏の『たまもの』(筑摩書房)が紹介されていました。


私も、愛蔵している写真集のひとつです。


手に入れた経緯はですね……
坪内祐三氏の文芸評論が好きだ、という話をしたら、うちの 母親が
プレゼントしてくれたのです。

娘にこんな写真集を贈ってどうするんだ母よ(笑)。

内容は、こんなのこんなの他人に開陳しちゃっていいの~? という感じの
コアプライベート写真集なのです。
もう、1冊まるごと、他者がいなさすぎて、素直すぎて。
こんな大人もいるんだ! という事実が、ショッキングでした。


神蔵氏が、婚約者のいた坪内氏を好きになり、奪い、結婚し、
そのあと白夜書房の末井昭氏に恋をしてそちらに走る、という過程を赤裸々に
写真と文章で綴ってある日記写真集です。
赤裸々すぎて、本人も、振り回されている人々も、痛々しくて、目が離せない。

生臭さも自己愛も、ここまで突き抜ければ、お見事。
「身勝手ゆーな!」とか「なめてんのか、てめー!」とか、外野の言葉なんか、
この人には、ひとっことも届かないんだろうな。
読むうちに批判の思考は停止してしまいます。

だって、どうしようもない。
他人のことは。他人の気持ちは。他人の恋は。どうしようもない。
なんて完璧に、この人は「自分」に充足しているのだろう。 恋は、病だ。

人の恋人を奪ったときにも。
奪われてしまったときにも。
大切な人がいるくせに、はからずも別の恋に陥ってしまったときにも。
手痛い失恋にあがいていた日々にも。
王子と出会ったばかりの、天上的に幸福な時期にも。

何度となく見返しました。


「 『恋』 とは、どうかしている状態のことなのだ 」


ただそれだけのことを、確認したいときが、あるのですよ……。


『たまもの』を通読してゲッソリした方は、藤代冥砂氏 が妻・田辺あゆみ氏を
写した 『もう、家に帰ろう』(ロッキングオン) をどうぞ。
夫婦間のエロスなんていう、気を抜くと生臭くなるものを、透明に、でもエロティックに、
たいへん抑制の利いた表現で、切なく表現してあって、お口直しに最適。

こちらも名作でございます。結婚っていいなあと思えます。


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