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すべての恋は、恋の死へ。

 
 可能性。すべての恋は恋の死へ一直線に堕ちてゆくこと (穂村弘)


穂村さんの、この歌が、大好きです。真理だと思う。

恋という感情は、わがままで儚いもんですよね。
思い出の死骸をひとつひとつ墓場に埋めて、今日も生きていかなきゃならない。

恋の墜落、その一。
恋した人に振られること。これはもう、当然、つらいのだけれど。

恋の墜落、その二。
ふっと自分の中の恋情が消えてしまう瞬間もまた、つらい。

「あ。いま、この人のこと、好きじゃなくなった」

蝋燭の火が吹き消されて、心に灯っていたものが、瞬間のうちに暗く冷えていく。
また新しい光源を求めて歩き出すことはあっても、一度消えた蝋燭に
火が灯されることは、たぶん、もうないのだとわかってしまう。
それが「愛情」ならば、少しずつ冷えていくことはあっても、ひといきに
散りしぼむことはないのにね。

墓標のかわりに甘い涙を。読経のかわりにさようならの一言を。
恋の死骸の弔いは、年々、簡素になっていく。


恋。わがままで儚い病。ほんの些細なことで終焉を迎える狂乱。

《すべての恋は恋の死へ一直線に堕ちてゆくこと。》

それもきっと、悪くない話なんだ。
「まともな世界に、おかえりなさい」
ひとつの恋の死を迎えた私に、昔、友人が言った言葉は正しい。
一直線に堕ちてしまったら、あとは地に足をつけて歩いていくことができる。
またいつか大きな風に拉っされる日までは、マイペースに、のんびりと。


だからそんなに落ち込むのではないよ。ね。



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