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2007年11月

いかん。

風邪をひきました。


扁桃腺の腫れから始まり、昼から夜にかけて、着実に悪化しています。


いかん。
なすすべがない。

葛根湯と栄養ドリンクを飲んで、生姜をきかせた雑炊をすすって、
布団にくるまったら、あとは、あとやることは何だ。


対抗策なんて、たかがしれているなあ。
悪化してゆく風邪に対して、ひとは無力です。嗚呼。


げんきになったらてんぷらたべたいな。おすしもいいな。

やたら贅沢なもんが食べたくなるのは、
完璧に王子に忘れ去られたままの私の誕生祝いが不憫だからよ。
11月、終わるっちゅーねん。


うう。なんか涙でてきた。

 

穂村弘さん

 
穂村弘さんのエッセイが大好きです。

気になる人のおデコに、自分への「好意」と「性欲」が点数表示されたら
いいのにと本気で考えたりとか(「もしもし、運命の人ですか。(メディアファクトリー)」)、

食事の後で女性をホテルに誘うタイミングがわからず、編み出した必殺技が
「とりあえず散歩に誘う」だと得意げに書いたりとか
(「もしもし、運命の人ですか。(メディアファクトリー)」)、

影が薄すぎて、ラブホテルでシャワーから出てきた連れの女性に
「びっくりした、そこにいたのか」と言われてしまったりとか
(「もう、おうちへかえりましょう(小学館)」)、

由美かおるの水着グラビアは国家レベルの暗号を伝えているのだと
妄想したりとか(「にょっ記(文藝春秋)」、

メガネがないと顔がしまらないという理由で、コンタクトレンズのくせに
レンズなしの「フチだけメガネ」をかけていたりとか(「世界音痴(小学館)」)。

そんな40歳。ちょっと不思議ちゃん(歌人、そしてシステム会社総務課長)。

ポエジーあふれる文章でつづられる、
ゆるくて、妄想いっぱいで、くだらなくて、おかしいエッセイの数々は、
何度読んでもしみじみと面白いのです。

こんな僕じゃだめ? って謙虚なそぶりを見せながら、じつはその可愛げや
不思議ちゃん具合も、巧みに計算された色気なんだからタチが悪いの。

「情けない」と「可愛い」のスレスレでね、モテてそうな感じしますもん。

なんだかんだいって、一般企業で課長さんを勤めている如才ないところもあるし、
ホントはぜんぜん生活無能力ダメ詩人じゃないんだもんねえ。
そのあたりの「安全さ」も、冒険嫌いな女心をくすぐります。

キュートで素敵なダメ男、穂村さん。
菓子パンやめられなくてもいいよ、現実が苦手で怠惰で妄想マニアで
インドアな古本オタクでもぜんぜんいいよ、
私は誰よりもあなたの味方でいたい、あなたの女の子っぽさとダメさと
浮世離れした佇まいを守ってあげたいわ。


と、私のように異様なシンパシーを抱く女が5万人くらいいそうなのは、
実はああいう文章を書ける人は、自分にも他人にも厳しいというか、
距離をおいているというか、冷めた目を持った人だと伝わるからでしょう。


ウジウジしているのに、甘えてきてはくれない、そんな距離感。
なんとかしてあげたいと思わせるくせに、冴えた論理性と
非凡なポエジーが、こっちの安っぽい母性本能なんか拒絶する。
悪いやっちゃ、というか、魅力的です。
村上春樹的に、他人を傷つけない文章ですよね。




さてさて。
そんな穂村ラブの私ではありますが。

「現実入門」(光文社)、これにはぶったまげたぜ!


美人編集者サクマさんに初体験エッセイを依頼されたところから始まって、

献血だのモデルルーム見学だの相性占いだのウェディングウェアだの
色気あふれるスポットをふたりで取材してまわり、

原稿では編集サクマ嬢を美人だ優秀だ綺麗かわいいと褒め続け、

あげく最終章ではマジでサクマ嬢と婚約、プロポーズ。がびーん。


ちょっとちょっと。アリなのか、この展開は。


単行本化にあたって、連載時から加筆修正再構成されているそうなので、
これはあれですね、エッセイじゃなくて、穂村さんが運命の人と出会ってから
ゴールするまでをつづった「恋愛私小説」として読むのが正解なのでしょうね。

そうじゃないと、いろいろと腑に落ちないというか、
ふざけんな穂村これセクハラだよ、と思っちゃう描写がいっぱい
ありますもん。


ゴールインした未来から過去を振りかえって構成しなおされた、
エッセイっぽい恋愛私小説。

そうやって読みかえすと、印象的な出会いと、順調な恋愛を経て、
めでたく結ばれた、幸福なカップルの物語です。


どこまで本当なのかわからない、人をくったフィクションなのね。


でも、まるっきりエッセイだと思って読み始めちゃったからなあ。
途中ちょっとおいおいおいおい公私混同だいじょうぶか、これはアリなのか、
いくらなんでも仕事相手の編集さんに向かってこんな妄想はちょっと、と、
ハラハラむかむかしてしまいました。


びっくりしたよもう。


実験的な恋愛小説として、読み直し、納得しました。



しかし『現実入門』ってあなた、じゅうぶん世知辛い大人ですがな。
元システム会社の総務課長さん!



王子の帰宅

 
ようやっと王子が中国から帰ってきました。おかえりなさい。

「しおりちゃん、いいこにしてた~?」
ぐりぐりと頭をなでられて、子どもに返ったような気分。えへへ。
今回は、あまり飲みにも行かず、けっこうおとなしく留守を過ごしてましたよ。
ほめてほめて。

家の中に王子がいるといないとでは、安心感が違うなあ。
ひとりだと、戸締まりとか、やたら確認しちゃうもんね。
男の人は、存在に力があります。


子どものころ、お母さんが家にいると、家が清浄に保たれていて、
悪いモノがそもそも寄りつかないような安心感があった。

お父さんが家にいると、何か悪いモノが来ても、きっとやっつけて
守ってくれる、っていう安心感があった。

くつろぎと、たのもしさ。 それは別種のもので。


という話しを王子にしたところ、

「俺は、しおりちゃんが家にいると心配だよ。
ガスストーブひっくり返してないかなあとか、コンロの火は消したかとか、
階段から落ちてないかとか、中国にいても、すごく気を揉むんだよね。
ぜんぶ前科があるからね、あなたには。

いつも帰国して家を見ると、よかった燃えてなかった、
しおりちゃんもちゃんと無事に生きてた、って、ほっとするんだ。
まあそれも、しおりちゃんの作り出す安心感っちゃ、安心感なのかな?」


ううう。違うと思う。

いつか王子にも安心感を与えてあげたいなあ。



テイクアウトの午後8時


     ヒラメの子はヒラメ
     そんなことは当たり前で
     だからなんにも期待しないよ
     自分にもあなたにも まあなるべくね


     人生をわたるコツなんて
     カサノヴァにだってわかりはしなくて
     それで世はこともなし
     実質的な不幸とリアルの関係について
     できるだけ冗長に述べよ


     うなぎやの煙を追ってみたら
     夜の雲は風に流れ やけに白く
     上空はここと天気が違うのかなんてことに
     一瞬空腹を忘れたりもした


     「人はパンのみにて生くるにあらず」
     栄養はちゃんと摂れってことね
     詩だけ食べても死んじゃうけれど
     それで死んだ奴 見たことないし


     群れたって独りだって尖ったってナナメだって
     ヒラメの子はヒラメ それで世はこともなし
     無用の心配する前に
     テイクアウトのうな重抱いて

     あなたにキスしに行かなきゃだから
     冷めないうちに行かなきゃだから



東京!

 
東京に帰ってきました。

しかし王子は中国なのだ。
ひとりで家にいると、さびしいなあ…。寒い季節は、とくにね。

さびしさ余って1泊でひとり旅にいく予定も、仕事が急に入ってツブレそう。
ギャラのいい案件だから断れないんだよね。
仕事の減っちゃった現在の貴重な収入源だもの。


でもさびしいな。
誰かと鍋とか囲みたい。
お店じゃなくて、おうちがいい。


気兼ねのない家のなかで、気の置けない人といっしょに、

盛大に湯気を上げる手作りあつあつの食べものを、熱いねえ、美味しいねえって
目を細めながらホフホフと食べる、あのときの、あの感じ。


あれは、「しあわせ」という言葉のもつ意味の「芯のところ」に
とっても近いんじゃないかな。と、思います。


私が結婚したのは、愛とか恋とかじゃなくて、あのときの、あの感じを
いつも側に確保しておきたかったからなんじゃないか。

逆にいえば、あのときの、あの感じこそが「しあわせ」なのだということを
共有できそうにない人とは、結婚したいと思わなかったんじゃないかな。


これからさき、ひょっとして王子と別れて、ひょっとして別のひとと
いっしょになるとしても、やっぱりそれを判断基準にすると思う。


とりあえず私には、いっしょにおうちで鍋を囲める人は、
今のとこ王子しかいないわけで。


はよ、帰ってこい。



実家より 4.

実家より 4.
実家より 4.


誕生日の当日は、海沿いにある某リゾートホテルレストランにて、
友人に祝ってもらいました。
景色のいい高層階で豪華フルコース。嬉しすぎる。


さらに、サプライズでシャンパン。

ハピバースデーと書かれたミニケーキ。

愛らしい花束と気のきいたプレゼント。

そして窓の外には、美しい福岡の夜景が。うわあああ。


「完璧! いまプロポーズされたら、勢いでオッケーしちゃうね」


と、思ってしまった私はミーハーなのか、
それともモテてこなかった気の毒なひとなのか。


まあ、ほら、バブルに免疫がない世代なのでね。
弱いのさ、こういうのに。

 

実家より 3.

実家より 3.

まだまだ福岡です。

肺癌闘病中の祖母を見舞ったり、
親戚にまずい酒(九州の日本酒は甘い!)をやたら飲まされたり、
親の「仕事が斜陽だ」という愚痴に延々と相づちをうったりしているうちに、


日付が変わって30歳になりました。本日、誕生日です。


そう思って鏡をみると、今朝からちゃんと30代の顔をしております。

「…なるほど。」
と、何がなるほどなのかわかりませんが、妙に納得しました。

 

実家より 2.

実家より 2.
実家より 2.


携帯から更新。
写真は、さいきん飼い始めたという金魚です。
背びれと尾びれの先が白く透けた、綺麗な子。


両親が地元の祭りで金魚すくいして、うちにやってきました。

さいしょは2センチくらいだったそうですが、立派になりすぎて
金魚鉢では身動きがとれなくなり、暫定的に「鍋」で飼われております。
…ものが魚なだけに、このまま煮付けたくなる絵面だ。


ちなみにこいつ、「ラグ」と呼ばれてます。
今年はじめに17年の生を終えたウチの犬の名前ね。

母いわく、うちにくる生き物は「ラグ」を襲名する決まりなのだそうです。

 

実家より 1.

実家より 1.

福岡の実家におります。
夕飯は母と居酒屋でおしゃべり。父は別件の飲み会へ。


写真は「いきなりまんじゅう」です。
突然まんじゅうが! みたいな意味ではなく、そういう名前なの。
九州のひと以外は知らないのでは?
小麦粉を練った皮に、薄切りのさつまいもと小倉あんがはさまってる
素朴な味わいのまんじゅうです。

おなかがふくれる庶民オヤツ。

 

かもい。

かもい。


おはようございます。

今日は珍しく、朝もはよから横浜の鴨居で取材でした。


駅からきれいに富士山が見えたから思わず写メ。

富士山が見えると、なんだか得した気分になりますね。
空気が澄んでいるんだなあ。

清々しい秋空。
世界の片隅にいられることが嬉しくなる朝。

 

帰省します

 
今週の水曜から日曜まで、福岡の実家に帰省します。


ガンで入院中の祖母が今年いっぱいかもしれない…、との知らせを受けて
なるべく早めに都合をつけたのが一番の理由ですが。


誕生日をひとりで過ごしたくなかったというのも裏の理由だったりする。
王子が家にいないのでね。
せっかく記念すべき30歳になるのだし。


言い古された表現ではありますけれども、高校生のときの私は、
まさか自分がこんなにも未熟なまま30歳になるとは思ってなかったなあ。

もっと大人になっているはずでした。
思春期みたいにつまらないことで悩んだりしていない、
立派なひとになっているはずでした。当てが外れたもいいとこです。


相変わらず、殻をはずされたカタツムリのように柔らかくて
フルフルした未熟な感性のままで、塩をかけられればすぐにヘタるし、
なのになぜだかまわりには今どき珍しく厳しいひとたちばーっかりで
(王子もなんつーか…攻撃的というか天性のいじめっこだしな)、
もう右も左もわからないまま30歳に突入ですよ。


福岡では、小学校からの友人に会う予定です。ふみふみちゃん。
傷つきやすくて神経質で毒舌で、なのに世話焼きでおひとよしで、
私が知る中で、いちばん善良な魂をもった無欲な女の人。
親友という言葉を超えたところにいる一生の友人。
こんなにも情けないまま会うことが少し怖いけれど、かっこつけてもしょうがない、
ウソのないところでいろんな話をしてこようと思います。

いろいろと迷って迷って迷っていることもありますしね。
利害関係なし、しかも日常生活の場が離れている親友って、
そういうときの話し相手として、とってもありがたい。


うし。そのまえに、懸案の仕事たちを片付けないとな。



いっぱいの祝福をあなたに

いっぱいの祝福をあなたに

今日は、15年来の親友Mくんの結婚式でした。
某大学チャペルで、きっちり正統派のカトリック挙式。


私は、讃美歌やアーメンは抵抗があって唱和できないんだけど、
精一杯の祝福をこめて、退場時に拍手を送りました。いいお式だったな。


今日は挙式のみで、披露宴は別の日だから、ゆっくり話す時間はなし。
帰りぎわ、「なかなか立派だったよ」って言ったら、
にやっと笑って「トーゼンでしょ」とピースをくれた。


ホントになかなか立派な姿でありました。
お互い、おとなになったねえ。
たかだか15年とはいえ、思春期からの激動の時代をつぶさに知っている友人。
Mくんが上京してから去年までの5年間は、徒歩10分の近所に住んで、
頻繁に遊びまわってもいた。

なのになんでかなあ、しみじみわかりあえることと、絶対に話せないことが、
両方同時に増えていく。不思議なことだ。


おめでとう、Mくん。 どうか末永く、お幸せにね。
私には難しそうだけど、
「そうしてふたりは、いつまでも幸せに暮らしましたとさ」のフィクションを
信じていたいと、この歳になってもまだ私は思っているんだよ。




***




  祝婚




     あとしまつをつけるために生まれてきたの
     生き始めてしまったことをね
     とりもどすために生まれてきたの

 
     これが多分はじめての生ではない証拠に
     最初から周到に切ない 世界
     美しい夕暮れや入道雲 にくたらしい水溜りにさえ
     強く結ばれた感傷たち

 
     そうしてあなたを
     見出しあったこの小さな希望と慈しみを
     にぎりしめてせめてもの灯りにしましょう
     いつか愛という壮大な字句に適うときがきたら
     ケーキに何本のろうそくを立てましょうね

 
     誰のためともわからぬまま投げ出されたなりの
     迷い多きちっぽけな服罪の道々に
 

     ゆるされたのはひとつのキスひとつの抱擁そして
     つくりだすひとつのいのち
     それだけできっと良いのだと囁く
     やすらかなあなたの その 寝息



 

どうにかなる日々。

 
再発した不安発作からも、だいぶ回復しました。

ここ数日、引きこもり主婦生活だったなあ。電車に乗るの怖かったし。


何をしていたかというと、アマゾンで3万円ぶんくらいマンガ買って
家事の合間にベッドで読んでました。
あとはね、ぴかぴかのガスオーブンを使って塊のお肉をいろいろな味つけで
焼いてみたり、何時間もかかる煮込み料理に挑戦したりね。
釣り竿を磨いたり、譜面を買ってオペレッタを歌う練習をしてみたり、
ゆでたまご(漫画家ではない)の殻にアクリル絵の具で絵を描いてみたり。

趣味の追求、すてきな自堕落、けっこうヒマって「もつ」ものだ。


いや、あの、本人の精神体調的にはけっこう悶々と苦しかったりも
したんですよ。
でも、はたからみていると遊んでいるというか、世の中になにひとつ
貢献していないクズそのものですわね。害こそなけれ。
すみません(と、世界にあやまる)。


王子の買った家に張り付いてウダウダしているなあ。
もうパラサイトワイフと呼ばれても仕方なし。
個人出費は今のところ貯金で凌いでるし、食費とかも出してるけどさ。
なんせ仕事してないんだもん。


週末から、ぼちぼちお仕事です。しゃきっとしていかんとなー。




※ タイトルは志村貴子さんのマンガより。



愛してる。

 

     ふやけたクルトンみたいに
     舌の上に 張り付いて 消えた
     そんな愛もあるのですよ

     しかつめらしい熟語を弄して
     ありきたりな効果音に熱を出す
     そんな愛もあるのですよ

     冷えかけたスープをがまんして
     剥けた爪を舌先でいたわる
     そんな愛もあるのですよ


     わたしは
     理想を描くには遠すぎる夜の子だから
     求心力からとびだして
     いつまでもクルクル辺縁をゆくのです

     拾いながら歩いてきて
     解釈は仕事では
     ないから


     あきらめたもののなかに
     果たされなかった約束があって
     それはいつもとても
     眩しい


     嘘っぱちなものは
     清らかだから
     わたしは砂利を踏んでゆく
     嘘の敷き詰められた上を


     それは真夜中で
     月が出ていて
     ひっそりと辺りはしずかで
     あなたの出る幕はなくて
     そしてとても完璧で


     足先から冷えて いつか
     凍って進めなくなる日まで


     愛はいつも過剰な暇つぶし
     真実を語るふりをして
     わたしの目を それから
     逸らし続ける運動なのです


     必要だから手に入れた
     それだけの
     あなた



再発。

 
不安発作が再発してます。
ここしばらく類を見ない「ひとぎらい」っぷり。


仕事をほぼやめて、完璧によくなったと思っていたのになあ。


自分には価値がない。と、思ってしまうことがどうも引き金なんだけどね。
そんな契機は、仕事してりゃー世の中にいっくらでもあるわけで、
つまり私の生き方がどこか間違っているのよ。

いい年をして、こんなにギクシャクしていてぐだぐだで、
きちんと具の揃った働き者の内臓たちが、なんだか身の丈に合わないというか、
私は私の身体に申し訳ない。


ああ今日は太陽が透明で空が高くてなんて美しいんだろう、
世界は祝福されているんだわ、と、見とれている間に
人生が終わってしまえばいいのにな。(病的だね)



欲しいものがあるの。

 
今月、誕生日です。

いつもとくに欲しいものがなくて、プレゼントどうする? と聞かれても
「じゃあ…浄水器」とか、適当に家電を買い足してもらっているのですが
(これは去年の話。しかも結局、王子のカードが使えなくて自分で買った…。
や、便利ですけどね…)、今年は、珍しく欲しいものがあるのですよ!


ずっとおねだりする機会を待っているんだけど、今年は王子がなかなか
訊いてくれないなー。
早く質問!カモン!選ぶヒマがなくなるよ? と念波を送っているのだけど、
例年の物欲のなさが災いして、王子もすっかりやる気ないっぽい。ううー。
「ねえ、あれ買って~♡」とか男の人に全然言ったことのないキャラなので
自分から自然に言い出す方法がわからないのです。
(なぜわからないのかがわからない女性も大勢いることでしょう…)


ちなみに欲しいのは、手袋なの。
キッド製の、2万円くらいする上等なのがいいなあ♪
誰か王子の友人がこれ読んで「若崎さん革手袋が欲しいらしいよ」って
伝えてくれないかしら~と、いやらしい魂胆をもって書いてます。すみません。
(「ねえ、あれ買って~♡」のほうがよっぽど清潔ですわね。)


ああ、でも、
「え? プレゼントって……カーナビ付けてあげたでしょ?」
なんて言われたらどうしよう。言いそう。


……今日、銀座に行くし、自分で買っちゃおうかな。



映画の話。

 
有楽町にて「クワイエットルームにようこそ」を観てきました。
原作、脚本、監督 松尾スズキ。
松尾ファンとしては、観とかななぁ、と。

1000円だったです。安い。
毎週水曜1000円をやってるとこ、最近は多いんですね。
昔、よく、レッツゴートゥーザムービーオンファーストウェンズデイ♪ って
予告編の前にやってたから、月の最初の水曜だけかと思ってた。


さて、映画ですが。
原作・脚本・監督が同一人物だからねー、良くも悪くも原作どおりでした。
解釈にブレがないから、裏切りはいっさいナシ。
「なぜ、原作のこのシーンがこうなる?」っていうの、普通はあるじゃない。
それが原作ファンとしてはもどかしかったり、逆に映画の見せ方としては
成功していたり。監督なり脚本家なりの解釈によって「色がつく」というか。
そういう驚きがないから、本の朗読を聞いているかのような映画でしたわ。


とはいえ、内容は変わらずとも、朗読の如何によって心への「沁みとおり方」は
違ってくるわけで。


主人公の明日香は、28歳バツイチのライターです。
物語は、ざっくり言えば、オーバードーズで意識不明になった明日香が、
精神病院の閉鎖病棟に強制入院となって退院するまでの、14日間の記録。

原作を読んだとき、ちょうど私も28歳バツイチでライターになったばかり、
同じだ~! と、えらく感情移入して読んじゃったのね。
おもっしろい小説だし。

そのときは、よくわかったの。
自分はマトモなはずだと思っているウザい女が、絶望の底から、
精神病院である種の「禊ぎ」を経て、成長していく過程が。
仕事も男も失って、だけど一皮むけた明日香は、きっと今より明るい未来を
つかめるのだろうな、と確信できた。

堕ちるだけ堕ちた女が、禊ぎを経て、再生へ。
なんかこう、宗教的な救いを感じる話だったのですよ。

でも映画だと、内田夕紀が最初から最後までずーっと調子が同じでね、
クライマックスに出てくる回想シーン以外は、顔が圧倒的に可愛すぎて
ウザったい感じもしないし、まわりのエキセントリックな患者たちを蔑視して
「私は違う!」などと思っている「イヤな子」のそぶりもあまり見せずに
ニュートラルな存在感で普通にすぐ「いい子」っぽく病院に馴染むしで、

うーん、始めと終わりの態度に落差がなさすぎて、成長モノにあるべき
「脱皮のカタルシス」に乏しかったなあ~。
モノローグで補完はあったけど、映画なんだし、演技と絵ヅラで
ダイナミックに成長を見せてほしかったです。


と、否定的な意見はこのへんで。

(そもそもストーリーが面白いかどうかという話は、松尾ファンなので、
公正な評価はできませんのです)


拒食症患者を演じる蒼井優ちゃんは素晴らしかったですよ!!
ものすごかった、存在感も演技もピカイチに輝いてた。
頭がよくてクールでオシャレ、でもどこかズレている、ゾクッとするような狂気。
観終わってからもずっと、頭から離れないもん、蒼井優ちゃんの表情、
たたずまい、すべて。
あの娘は人間なのかねえ。なにかの化身のようだわ。




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