« 出た。 | トップページ | 欲しいものがあるの。 »

映画の話。

 
有楽町にて「クワイエットルームにようこそ」を観てきました。
原作、脚本、監督 松尾スズキ。
松尾ファンとしては、観とかななぁ、と。

1000円だったです。安い。
毎週水曜1000円をやってるとこ、最近は多いんですね。
昔、よく、レッツゴートゥーザムービーオンファーストウェンズデイ♪ って
予告編の前にやってたから、月の最初の水曜だけかと思ってた。


さて、映画ですが。
原作・脚本・監督が同一人物だからねー、良くも悪くも原作どおりでした。
解釈にブレがないから、裏切りはいっさいナシ。
「なぜ、原作のこのシーンがこうなる?」っていうの、普通はあるじゃない。
それが原作ファンとしてはもどかしかったり、逆に映画の見せ方としては
成功していたり。監督なり脚本家なりの解釈によって「色がつく」というか。
そういう驚きがないから、本の朗読を聞いているかのような映画でしたわ。


とはいえ、内容は変わらずとも、朗読の如何によって心への「沁みとおり方」は
違ってくるわけで。


主人公の明日香は、28歳バツイチのライターです。
物語は、ざっくり言えば、オーバードーズで意識不明になった明日香が、
精神病院の閉鎖病棟に強制入院となって退院するまでの、14日間の記録。

原作を読んだとき、ちょうど私も28歳バツイチでライターになったばかり、
同じだ~! と、えらく感情移入して読んじゃったのね。
おもっしろい小説だし。

そのときは、よくわかったの。
自分はマトモなはずだと思っているウザい女が、絶望の底から、
精神病院である種の「禊ぎ」を経て、成長していく過程が。
仕事も男も失って、だけど一皮むけた明日香は、きっと今より明るい未来を
つかめるのだろうな、と確信できた。

堕ちるだけ堕ちた女が、禊ぎを経て、再生へ。
なんかこう、宗教的な救いを感じる話だったのですよ。

でも映画だと、内田夕紀が最初から最後までずーっと調子が同じでね、
クライマックスに出てくる回想シーン以外は、顔が圧倒的に可愛すぎて
ウザったい感じもしないし、まわりのエキセントリックな患者たちを蔑視して
「私は違う!」などと思っている「イヤな子」のそぶりもあまり見せずに
ニュートラルな存在感で普通にすぐ「いい子」っぽく病院に馴染むしで、

うーん、始めと終わりの態度に落差がなさすぎて、成長モノにあるべき
「脱皮のカタルシス」に乏しかったなあ~。
モノローグで補完はあったけど、映画なんだし、演技と絵ヅラで
ダイナミックに成長を見せてほしかったです。


と、否定的な意見はこのへんで。

(そもそもストーリーが面白いかどうかという話は、松尾ファンなので、
公正な評価はできませんのです)


拒食症患者を演じる蒼井優ちゃんは素晴らしかったですよ!!
ものすごかった、存在感も演技もピカイチに輝いてた。
頭がよくてクールでオシャレ、でもどこかズレている、ゾクッとするような狂気。
観終わってからもずっと、頭から離れないもん、蒼井優ちゃんの表情、
たたずまい、すべて。
あの娘は人間なのかねえ。なにかの化身のようだわ。




« 出た。 | トップページ | 欲しいものがあるの。 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

映画評にコメントするのは初めてかもしれませんが、若崎さんの、昔から好きです。興をそがず、思わずそそられるんですよね。

蒼井優にはいくつか作品を見てから興味が沸いていたので、広州のDVD屋で海賊版が出回るようになったら見てみたいと思います。

酒徒さん

映画感想をひとに好きだと言ってもらったの初めて。ありがとうございます。最近は、文章を書いて発表するのって私には向いてないことなんじゃないか…と思い悩むことが多いので(職業的に、ですが)、すごく励みになりました。
蒼井優はどんどんすごくなっていく女優さんだと思います。存在感の密度が濃いの。

もう広州ですか? 食日記、楽しみにしてます。
東銀座のみよしは私も大好きなお店です^^
 

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/64666/16940995

この記事へのトラックバック一覧です: 映画の話。:

« 出た。 | トップページ | 欲しいものがあるの。 »

プロフィール

2016年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

オススメ



最近のトラックバック

カウンター

無料ブログはココログ