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愛してる。

 

     ふやけたクルトンみたいに
     舌の上に 張り付いて 消えた
     そんな愛もあるのですよ

     しかつめらしい熟語を弄して
     ありきたりな効果音に熱を出す
     そんな愛もあるのですよ

     冷えかけたスープをがまんして
     剥けた爪を舌先でいたわる
     そんな愛もあるのですよ


     わたしは
     理想を描くには遠すぎる夜の子だから
     求心力からとびだして
     いつまでもクルクル辺縁をゆくのです

     拾いながら歩いてきて
     解釈は仕事では
     ないから


     あきらめたもののなかに
     果たされなかった約束があって
     それはいつもとても
     眩しい


     嘘っぱちなものは
     清らかだから
     わたしは砂利を踏んでゆく
     嘘の敷き詰められた上を


     それは真夜中で
     月が出ていて
     ひっそりと辺りはしずかで
     あなたの出る幕はなくて
     そしてとても完璧で


     足先から冷えて いつか
     凍って進めなくなる日まで


     愛はいつも過剰な暇つぶし
     真実を語るふりをして
     わたしの目を それから
     逸らし続ける運動なのです


     必要だから手に入れた
     それだけの
     あなた



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