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2008年7月

昭和でいうと

 
「ねえねえ、いま冷凍庫からね、賞味期限が昭和64年って書いてある
アイスクリームが出てきたの。

いまって昭和でいうと何年?」



…という電話が友人からかかってきた昼下がり。


昭和でいうと……83年だね。えっ、83年!?

ふたりで同時に驚く。
いつのまにかずいぶん遠くに来ちゃったなあ。
なんだかクラクラと目眩のするような、はるかな気持ちになる。


くらくら。


まあ、くらくらの大半は、
「そうか20年も引っ越ししないと冷凍庫ってそんなことになるんだ」
っていう驚きなんだけど。


取り戻せないこと。

 
うっかり人を傷つけてしまった。ひどいことを言ってしまった。


反省しても反省しても、時間をもどせない以上はどうしようもないから、
忸怩たる思いを抱えて生きていくしかない。

ごめんなさい。
って、せめてそれだけを会って伝えたいけれど。


私は、たぶんあんま幸せにならないだろうな。



最近の、はまりマンガ

 
ここ半年くらいの、はまりマンガたちをなんとなく公開。


● 闇金ウシジマくん (小学館/真鍋 昌平)

トゴの利率でも闇金でその日の勝負銭を借りるパチンコ依存症主婦、
女どうしの付き合いで見栄をはるため闇金に手を出しズブズブと堕ちていく
大会社のOL、
イベントサークルにたかる虫のようなヤクザとヤンキー、
風俗嬢にいれあげて借金のあげくストーカー化する男、
闇スロとデートクラブにはまり闇金を頼る干されたダメリーマン・・・

ウシジマくんの世界は、闇金を取り巻く地獄絵図。
こんなダメ人間ほんとにいるんすか!? と、思ってしまう私を
取り巻く世界はなんだかんだいって至って平和なのだと痛感しきりです。

「明日になれば何かを始める」「オレはおまえらとは違うスゲエ人間なんだ」と
安いプライド引きずってズルズルとニート化していく男には
「ああぅ、痛い痛い痛い!」というほど自分を重ねてしまいました。
私なんて王子の庇護がなければ生活能力のないダメ人間ですからホント。

怖いもの見たさとしても、人生を見つめ直すきっかけとしても、おすすめ。





● 海獣の子供 (小学館/五十嵐大介)
勝ち気で言葉が下手で、うまく学校や家庭になじめない琉花と、
ジュゴンに育てられたふたりの少年「海」「空」の冒険ファンタジー。

ファンタジーつっても甘くなくって、大人が読んでじゅーぶん楽しい。

海や水族館から、謎の光とともに消えていく魚たち、
その現象を追う生物学者たちの水面下のバトル、
光に腐食されるように崩壊し、海へと溶けていった「空くん」・・・

まだ何も謎が解明されてなーい!! ので、3巻の発売がイライラするほど
待ち遠しいです。いらいらいらっ。叙情的な絵もスバラシイ。






● 竹光侍 (小学館/松本 大洋, 永福 一成)
いわずとしれたヒット作。松本大洋の「大洋節」が炸裂!
珍しいことに、原作は別にいます。なんか賞も取ったよね?

剣の達人である浪人が主人公の、江戸人情長屋ものなのですけども、
これが奇才・松本大洋の手にかかると、ストレートには表現されないんだなあ。

とにかく味わってほしいのは絵です!
日本のマンガって、なんだかすごい地平まで行っちゃってるのね・・・と思うから。
これはもう、なんつーか、水墨画。

ストーリーだけ読めばあっさり読み終わるんだろうけど、
絵がすごすぎて、味わい深すぎて、「どういう構図なのこれ?」とか
「この間の取り方ってば芸術的だ!」とか
すみずみまで堪能して読んでいたら、1冊2時間もかかってしまった。

もしこの原作でそこいらの漫画家が描いてたら、ごく普通の時代マンガだと思う。
マンガを読むというより、画集を堪能する目的で「買い」ですよ。

あと連載雑誌「 ビッグコミックスピリッツ」で読んでいる人も、
単行本を買った方がいいです。
雑誌のあのザラザラした紙質では、松本大洋の線の美しさはわかりにくい!





● チェーザレ―破壊の創造者 (講談社/惣領 冬実)
惣領冬実といえばおしゃれな絵柄でおしゃれな恋愛を画く少女漫画家、
っつー印象が強かったわけですが、これはどっこい本格歴史モノです。

本邦未訳の『サチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝』をもとに
あざやかに描き出される、若き野心家チェーザレ・ボルジアの姿。

大学に入学したばかりの、身分低い田舎モノの(しかし利発な)青年アンジェロの
目を通して、若々しく魅力的な青年チェーザレが活写されております。
4巻では、とうとう美しき妹姫ルクレツィアも登場しました。
野心なかばにして潰えた悲劇のヒーローチェーザレが、今後どのように
描かれていくのか楽しみです。

かなり歴史的にも精査され、きちんと監修されて描かれているのですが、
しかしやっぱりそこは惣領冬実(いい意味で)!!
チェーザレ、ミケロット、アンジェロ、すべての登場人物がうつくしい!!
目の保養マンガだわ(はぁと)。


しかし惣領冬実といえば、『ボーイフレンド』は恋愛マンガの金字塔だったなあ。
チェーザレもとっても面白いけど、またああいうの書いてほしぃ・・・。
人生最高恋愛マンガを3つあげてください! といわれたら
私は文句なく『ボーイフレンド』と『めぞん一刻』はランクインさせますわ。






***


あと、かなり前のマンガだけど、吉野朔美の『恋愛的瞬間』を
読み返したらめちゃくちゃ面白かったです。

さまざまな「大人の恋愛」にまつわる短編集。
これを最初に読んだ大学1年生のときは、そこまで心に響かなかったのに。

大人にならないとわからない面白さってあるんですなあーとしみじみ。

たとえば「失恋」に関するこんな言葉。

 《失恋自体が不幸であるとは限りません
 不幸とはむしろその処理の仕方にある

 失恋を失恋として
 痛みを痛みとして

 結果を
 事件を
 それは ただひたすら 受け入れることしかないことに
 納得できないとき
 不幸は始まるのです》

たとえば、自分がなくなってしまうような不安にさいなまれていた主婦が
発見するこんな言葉。

 《自分を失うことよりも
 あなたを失うことの方が恐ろしい

 他人を愛するということは
 いつかおとずれるであろうその恐怖に耐えることを意味する

 それを思えば 無駄な時間は ひとつもないのだ》

今は文庫版で出てますし、おすすめです。

しかしまあ、
少女のころから女は、こんな『恋愛的瞬間』みたいなマンガ読んでるわけで、
男の子なんて勧善懲悪のジャンプ系マンガばっか読んでて、
大人になって恋愛洞察力が男女間で天地の差として開いちゃうの
わかるなあと。苦笑。





母のネコ

 
実家の家業である写真館というのは、夏場は仕事がほとんどなく、
毎年強制的に夏休みに入ります。


で、夏休み堪能中の母上から、よくケータイメールが来る今日このごろ。


映画に行ったよーとか ドライブに行ったよーとか
パパが誕生日に年齢の本数だけ真っ赤なバラの花をくれたよーとか
1日がかりでベランダのお花を植え替えたよーとか
ふたりで夏祭りに行って可愛い金魚を釣ってきたよーとか。


文面からも写真からも、
一ヶ月ほどの仕事のない期間を、ちょっぴり不安を持ちながらも
夫婦でむつまじく楽しく過ごしていることが伝わってくるのです。
このひとたちを見ていると、いつも夫婦っていいなあーと思っちゃう。


で、本日。

「最近ね、紙粘土でお人形つくるのに凝っているの!」
という文章といっしょに、母の作品写真が添付されてきました。

「おおっ、奥様のご趣味!(笑)」
と、思いながら写真を開いてみたら、これが、、、


ビックリするほど良くできてて、かーわいいいい!!(゚Д゚ ;)


ちんまりと鎮座している、玉子色のネコと、ピンクのお地蔵さん。
そのへんの温泉地のへだらな土産物よりも、よっぽどいいぞー!

なんというかね、「じょうず」っていうんじゃないんだけど味があってね、
そのヘタウマの味がちゃんと「センスいいね」って感じに仕上がっているのですよ。


とくにブルーの目をした玉子色のネコの、ムニョンとした口元がかわいくて、
思わず母に 「ちょーだい、これほしい、送って!!」と、メール。
土産物店にあったら、ひとめぼれして連れて帰っちゃうだろうかわいさなのです。


そしたらば、

「お人形は好評で、ふたつとも里親が決まってしまいました。
ごめんなさい。
玄関に置いていたら、たくさんのお客さんが、
これどこで買ったものですか、売ってほしいそうです。
しおりちゃんにも作ってあげるから待っててね、どんなネコがいいか。」
(※母の文章はいつもちょっと変。)

という返信が。 ママン・・・すげえ・・・(゚Д゚ ;)


思えば昔からやたらと芸術的な才能あふれる人でした。

電話をしながらイタズラ描きする絵がものすごく上手だし
(オードリーヘップバーンを思いながら描いてるときは、
陰影まで写実的なオードリーが片手間にできあがる。映像記憶が正確。)

古くなった服をリサイクルしてバッグを作ったらそれが友人たちに
大好評で注文が来たりするし、
宝石屋さんに自作のデザイン画を持って行って指輪やブレスレットを作っちゃうし
こないだはソファまでデザインして家具屋さんに作ってもらってたし、
それがまあよく出来てるし。
(あと関係ないけど歌がものすごく上手くて声量がハンパない。)


まあ、、、まあ、そのぶん気質もたいへんに芸術家タイプで、
気に入らないことがあるとちょっとした台風くらいに暴れるわ、

ほがらか気分のときは、そこがデパートだろうが町中だろうが
3丁目先までとどく大声でオペラを朗々と歌って踊り始めるわ
(子どものころはそんな母といるのが死ぬほど恥ずかしかった)、

あ、そういえばポケットがじゃりじゃりしてイヤー! とか言って
小銭を道にぶちまけて捨てたこともあるな・・・
こないだも鬱に入って一晩に20回くらい電話してきたしな・・・
いかん、エキセントリックな母エピソードは思い出すと次々に出てくるぞ。


ってのはともかく、
近年の写真館不況プラス夏場閑暇が、今は芸術方面の制作欲に
まわっているみたいで、昔から母のつくるものが好きだった私は
とっても嬉しいのです。

「本当は美大に行きたかったけど、おじいちゃんに反対されてねえ・・・」と
百万回聞かされてきて、なんだか切なかったしなあ。
うちは繁盛店だったし、同居の祖父母のお世話もあったし、
ゆっくり芸術欲を爆発させるヒマなんかずっとずっとなかったもんね。




ということで、彼女の新作に期待!
家にモノを増やしたくない私にしては、ホントに欲しいネコだったもん。

とりあえず、「あかるい色のネコをお願いします」とだけリクエストしておきました。
どんなものが届くか楽しみすぎる。 わくわく♪



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