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最近の、はまりマンガ

 
ここ半年くらいの、はまりマンガたちをなんとなく公開。


● 闇金ウシジマくん (小学館/真鍋 昌平)

トゴの利率でも闇金でその日の勝負銭を借りるパチンコ依存症主婦、
女どうしの付き合いで見栄をはるため闇金に手を出しズブズブと堕ちていく
大会社のOL、
イベントサークルにたかる虫のようなヤクザとヤンキー、
風俗嬢にいれあげて借金のあげくストーカー化する男、
闇スロとデートクラブにはまり闇金を頼る干されたダメリーマン・・・

ウシジマくんの世界は、闇金を取り巻く地獄絵図。
こんなダメ人間ほんとにいるんすか!? と、思ってしまう私を
取り巻く世界はなんだかんだいって至って平和なのだと痛感しきりです。

「明日になれば何かを始める」「オレはおまえらとは違うスゲエ人間なんだ」と
安いプライド引きずってズルズルとニート化していく男には
「ああぅ、痛い痛い痛い!」というほど自分を重ねてしまいました。
私なんて王子の庇護がなければ生活能力のないダメ人間ですからホント。

怖いもの見たさとしても、人生を見つめ直すきっかけとしても、おすすめ。





● 海獣の子供 (小学館/五十嵐大介)
勝ち気で言葉が下手で、うまく学校や家庭になじめない琉花と、
ジュゴンに育てられたふたりの少年「海」「空」の冒険ファンタジー。

ファンタジーつっても甘くなくって、大人が読んでじゅーぶん楽しい。

海や水族館から、謎の光とともに消えていく魚たち、
その現象を追う生物学者たちの水面下のバトル、
光に腐食されるように崩壊し、海へと溶けていった「空くん」・・・

まだ何も謎が解明されてなーい!! ので、3巻の発売がイライラするほど
待ち遠しいです。いらいらいらっ。叙情的な絵もスバラシイ。






● 竹光侍 (小学館/松本 大洋, 永福 一成)
いわずとしれたヒット作。松本大洋の「大洋節」が炸裂!
珍しいことに、原作は別にいます。なんか賞も取ったよね?

剣の達人である浪人が主人公の、江戸人情長屋ものなのですけども、
これが奇才・松本大洋の手にかかると、ストレートには表現されないんだなあ。

とにかく味わってほしいのは絵です!
日本のマンガって、なんだかすごい地平まで行っちゃってるのね・・・と思うから。
これはもう、なんつーか、水墨画。

ストーリーだけ読めばあっさり読み終わるんだろうけど、
絵がすごすぎて、味わい深すぎて、「どういう構図なのこれ?」とか
「この間の取り方ってば芸術的だ!」とか
すみずみまで堪能して読んでいたら、1冊2時間もかかってしまった。

もしこの原作でそこいらの漫画家が描いてたら、ごく普通の時代マンガだと思う。
マンガを読むというより、画集を堪能する目的で「買い」ですよ。

あと連載雑誌「 ビッグコミックスピリッツ」で読んでいる人も、
単行本を買った方がいいです。
雑誌のあのザラザラした紙質では、松本大洋の線の美しさはわかりにくい!





● チェーザレ―破壊の創造者 (講談社/惣領 冬実)
惣領冬実といえばおしゃれな絵柄でおしゃれな恋愛を画く少女漫画家、
っつー印象が強かったわけですが、これはどっこい本格歴史モノです。

本邦未訳の『サチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝』をもとに
あざやかに描き出される、若き野心家チェーザレ・ボルジアの姿。

大学に入学したばかりの、身分低い田舎モノの(しかし利発な)青年アンジェロの
目を通して、若々しく魅力的な青年チェーザレが活写されております。
4巻では、とうとう美しき妹姫ルクレツィアも登場しました。
野心なかばにして潰えた悲劇のヒーローチェーザレが、今後どのように
描かれていくのか楽しみです。

かなり歴史的にも精査され、きちんと監修されて描かれているのですが、
しかしやっぱりそこは惣領冬実(いい意味で)!!
チェーザレ、ミケロット、アンジェロ、すべての登場人物がうつくしい!!
目の保養マンガだわ(はぁと)。


しかし惣領冬実といえば、『ボーイフレンド』は恋愛マンガの金字塔だったなあ。
チェーザレもとっても面白いけど、またああいうの書いてほしぃ・・・。
人生最高恋愛マンガを3つあげてください! といわれたら
私は文句なく『ボーイフレンド』と『めぞん一刻』はランクインさせますわ。






***


あと、かなり前のマンガだけど、吉野朔美の『恋愛的瞬間』を
読み返したらめちゃくちゃ面白かったです。

さまざまな「大人の恋愛」にまつわる短編集。
これを最初に読んだ大学1年生のときは、そこまで心に響かなかったのに。

大人にならないとわからない面白さってあるんですなあーとしみじみ。

たとえば「失恋」に関するこんな言葉。

 《失恋自体が不幸であるとは限りません
 不幸とはむしろその処理の仕方にある

 失恋を失恋として
 痛みを痛みとして

 結果を
 事件を
 それは ただひたすら 受け入れることしかないことに
 納得できないとき
 不幸は始まるのです》

たとえば、自分がなくなってしまうような不安にさいなまれていた主婦が
発見するこんな言葉。

 《自分を失うことよりも
 あなたを失うことの方が恐ろしい

 他人を愛するということは
 いつかおとずれるであろうその恐怖に耐えることを意味する

 それを思えば 無駄な時間は ひとつもないのだ》

今は文庫版で出てますし、おすすめです。

しかしまあ、
少女のころから女は、こんな『恋愛的瞬間』みたいなマンガ読んでるわけで、
男の子なんて勧善懲悪のジャンプ系マンガばっか読んでて、
大人になって恋愛洞察力が男女間で天地の差として開いちゃうの
わかるなあと。苦笑。





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06_ マンガ愛」カテゴリの記事

コメント

お、久々の連続更新ですね。若崎さんのレビュー好きとしては嬉しいです。
ウシジマ君は、日本にいた頃数回立ち読みしたときに、同じような感想を持った記憶があります(こんな奴いるの?と思った後、自らの平和に気付く)。続きが読みたくなりました。
竹光侍も、すごく読みたい!松本大洋作品はほとんど買ってるのに、日本を離れたせいで、ナンバーファイブの途中で止まってるんですよねえ。
読みたいマンガがどんどんたまっていく・・・

男の身ながら、最後の苦笑に同感です。高校や大学時代、クラスメイトから借りた少女漫画を読んで自分が読んできた漫画との心理描写の違いに驚き、その後、授業中にむさぼるように読みました。バナナフィッシュの番外編を読んで泣きかけてたときに先生から指されたのはヤバかった。。。(笑)

酒徒さん

おー、ご訪問ありがとうございます。
ウシジマくんは、ホントに「これも日本か!?」って思いますよねー。
もうすぐ12巻が出るんですけど、なかなか毎回、面白いです。
竹光侍は、ぜひぜひ。
ただ、ストーリーは大洋な感じじゃないので、そのへんはまあ
「原作モノもありか!」みたいな感じでお楽しみくだされ。

酒徒さんはきっと「海獣の子供」は好きだと思いますよん^^

バナナフィッシュは名作でした・・・ただ、わたしはエイジが嫌いで
「おまえは何の取り柄もないくせにアッシュに近づくな!」とか
歯がゆく思っておりました。
これはあれかも、たいしたタマでもないくせにイイ男に愛される
女に向けて思う嫉妬と似てたのかもっ(笑)
 

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