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不足の亀裂

 
ブログに書きたいことがあふれているときって、
ほんのちょっと不幸だったり、なにか不平があったりするとき、なのかもしれない。


今はあまりにも日常が平和で、静かに幸福で、本や芝居のことや、
なにかオススメしたいと思うモノと出会わない限り、
取り立てて書くようなこともないのです。


王子は、規則正しく、朝に会社にいって、夜に帰ってきます。
たまに花なんかをプレゼントしてくれる。
私はほぼ毎日お仕事の書きものをし、夕方に商店街で買いもの。
ついでにお散歩、花でも咲いていたら気まぐれに写真を撮る。
時には取材。都心でケーキなどを買って帰って、ほらまた太っちゃうよと
王子にからかわれたり。
夜はふたりで晩酌しながら2時間近くかけて食事をとって、おしゃべり。


そんなことの繰り返し。もの思いもない、穏やかな日々に、
書くことなんか、出てこないのです。


私の書きたい、伝えたいという欲求、あれは、
思い通りにゆかない現実と理想の、その不足の亀裂から湧いてくる泉
だったのかしら。
満たされない間隙を埋めるための、スコップは、キーを叩く指先。
せっせと埋め立てる土は、言葉たち。


世界と折り合いをつけたくて、私はいつもいつも詩を書き、
雑感を訴え散らしていたのかなあ。

今は、王子の作りだしたあったかい巣箱におさまりかえって、
何の不足もありません。
やっと折り合いをつけたのだと思います。
望まれる有りようと。
自我の望む有りようとに。


そうして私は詩を書かなくなり、また、にこやかにも寡黙になりました。


しかし、どうしてこんなに事件があるの、と疑問になるくらい、
王子様は、毎日毎日、ホントによくしゃべる。
笑う。怒る。嘆く。切歯扼腕する。たまに褒める。思い立つ。決意する。
くるくる変わる表情と、よく動く舌が若い。

会社と家を往復している間に、ぎゅっと詰まっている、そのきらきらしいもの。


まぶしい。



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