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羣青

 
3月末に購入したので、今さらな感想なんですけども。

『羣青 上』(中村珍/IKKI COMIX)

おもしろい。

モーニング・ツー連載休止と単行本発売中止のいきさつを
まったく知らなかったので、「あれっ、IKKI COMIXから出てるっ」と、
ちょっと驚きました。
(編集者とのもめごとを作者がブログで公開したことから
こじれた結果の制裁措置→移籍、のようです)

月刊IKKIで無事連載も再開されたようで、よかったよかった。

 
いやぁ、好きです、このマンガ。

ひとことで言えば、濃い。
カルピスを原液で飲むような飲みにくさ。

濃い、飲みづらい、でも、美味しいモノだってことはわかる……みたいな。


夫を殺させた女と、殺した女、
ふたりの女の『テルマ&ルイーズ』的な逃避行なんだけど、
ハリウッド映画じゃなくて、なにかと湿度の高い国ニッポンが舞台なもんで、
あんなにカラっとは行きません。

かたっぽはレズビアンだし、
かたっぽは幼少から結婚生活までDV経験値豊富な殴られ体質女だし、
そんな設定の上に心理描写も暴力表現もてんこもりで、もう、ヤミ鍋。


「惚れた相手のために人を殺す」ってのは、男女間の恋愛だったら
別に珍しくもないモチーフで、いくらでも美しく描写できるのだけど、

それをレズビアンとノンケのふたりの女の間に持ち込んだところが出色。

「人は、惚れた相手ためにどこまで人生を犠牲にできるのか」
「自分のために人生を犠牲にした相手に、何をしてやれるのか」
「自分に犠牲を強いた相手を、許すことができるのか」

などの問いかけが、むき出しで迫ってくるわけです。


殺しを実行した女は人生を犠牲にすることで永遠に惚れた相手を縛り、
手を汚さなかった女は自由への逃げ道と罪悪感の間で惑う。
簡単に逆転する支配・被支配の関係。


息苦しいけど、目が離せない。
ふたりの結末まで、原液のカルピスを、顔をしかめて飲み続けたいと思います。



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