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帰京 -古賀春江のことなど

 
実家から東京の家へと、もどってまいりました。


上京して15年、いつのころからか実家は「両親の家」という佇まいを濃くし、
私にとっては、懐かしいけれども心底からは安らげない空間になっています。

東京は馬込の狭い自宅に帰り着いたとたん、ひさびさにホッと肩から力が抜け、
こんこんと13時間も眠りこけてしまいました。
両親の家、つまり「他人の家」で気を張っていたのだなと思い知り、
少し寂しくなる。

福岡を心から愛してはいるけれど、私の居場所はもう東京なのだと、
帰省する度に思い知らされるのでした。


筋湯温泉から阿蘇をドライブし、はげの湯温泉に至る王子との旅行は
すばらしかったです。
あそこにも行きたい、ここにも寄りたいというあれこれを精査したプランが
今回は図に当たって、深緑の阿蘇くじゅうで心洗われてきましたよ。


王子をさきに東京に帰してからは、実家で、母の愚痴を辛抱強く聞き続けたり、
友人たちと西中洲界隈を朝まで遊び歩いたり、
久留米の石橋美術館で開催中の『新しい神話がはじまる。古賀春江の全貌』を
見物しに行ったりしました。

古賀春江展示、充実の内容でした。
モダンな感性は、とても1895年生まれの日本人とは思えない。
透明感あふれる水彩も、シーレのような大胆なキュビズム画も、
シュールで神経症的になっていく後期の油絵も、どれもひじょうに私好みです。

ひとつひとつの絵に、濃密な物語性がある。
古賀春江は、絵と同じタイトルの詩を自らつづっているので、
それも当然なのかもしれません。
そういえば、文章に秀でた画家・斎藤真一の絵にも、濃密な物語性が
あるよなあと思い出したり。


古賀春江の絵を見ていると、うわっと、頭の中に、「言葉の子どもたち」のような、
未分化な言葉のタネがあふれてきます。
二度と詩を書くことなんかないだろう、もう枯渇してしまっているもの、と
あきらめていたのに、あらあらら、と、自分で驚いてしまった。

無意識に近い部分に沈殿している未分化な言葉たちをゆっくりと掻き回し、
脳裏にその澱を舞い散らせてくれる 絵や、音楽や、風景に出逢うと、
ああ、生きててよかったなあと思います。


9月5日(日)まで展示があっているようなので、お近くの方はぜひ。



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コメント

帰省 お疲れ様でした~
ほんと なんで母親は あんなに愚痴っぽいのでしょうかね~ 
娘だと思って 油断しすぎでないの~ と 思うこと 多々有りです (高卒で実家を出て 早30年ですけどね~)
親だけど それ以上ではなくて 大事だけど えらべないくらい大事なもの(人であったり 色々)が あったりして・・・フっ
ちょっと前に 母に向かって大爆発したこともあるですよ~
親が子供に気を使わなくなっても 子供であることを期待されると やってられっか~と思う事もありますよ~

>吉崎さん

帰省、お疲れさまでしたよ~(笑)

うちは、私のほかは弟しかいませんで、成人した男ってのは
母親の愚痴なんかロクに聞いてくれやしないんですよね。
そのぶんが私へと、たまりにたまって回ってきてしまいます><

たしかに、もうちっと気を遣ってくれよと思うときはありますねー(笑)。
大爆発する気持ち、わかります!

私は、バツありなんですけど、今回、母に
「まさか私の娘が離婚するなんて思ってもみなかったから、
本当にショックだったわ。育て方を間違ったのよね」とグチグチ
言われ、ボーゼンとしました。
離婚したのはもう7年前で、現在の夫である王子を連れての
帰省だってのに、なぜ今頃そんな…??

愚痴はいいんですけど、故意に娘を傷つけて楽しんでるんじゃ
ないのーと思いたくなるときもあったりします。ぷんぷん。

 お母さん そりゃーきついわー
時間止まっちゃってますね~ あと おもいつきのみで 言っちゃってますね。 もう なにが言いたいのやら わけわからん という感じでしょうか。
実家が疲れる 娘達 以外に多いみたいですよ~
母親の経験値を 娘が追い越したのかもしれないですね。
ウチも弟がいますが 母ともめては SOSをだしやがりますよ~(笑)

>吉崎さん

そーなんです、時間とまっちゃってますよー(笑)

母という存在が、どんどん「持ち重り」のするモノになっている、
という娘たちは、私のまわりにも多いです><

結局、いつまでも子どもを所有物だと思ってるから、
むき出しの言葉を平気で投げつけてくるんでしょうねぇ……。

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