『聖☆高校生』ついに完結!
『聖☆高校生』11巻が届く。
ついに完結。 貪るように読み込む。
ラスト数ページの切なさには身を切られる思いだった。 しかし、お見事!
本当に、最後まですげぇマンガだ・・・。
すべてのページに、強烈で根源的な人間賛歌が溢れている。
誰を喪失しても。
取り返しのつかないやり方で裏切られても。
人はどうしようもなく、人を求めてしまう。
その、どうしようもない真実を、
血を流しながら何度も確認しあうキャラクターたち。
魂をゴリゴリ削って描かれているマンガだったと思う。
ヘタレのいじめられっこだった聖。夜の街に逃げ込んだ聖。
何人もの女たちと関わって、
愛せなくて、愛されなくて、無力感にへこたれて、
だけどひとりの女を救いきった、ひとりの高校生。
12年間ずっとずっと、あなたに付きあってきてよかった。
このラストを読むことができてよかった、生きていてよかった。
「大人になる」ということがどういうことなのか、
人として人とともに生きる覚悟とは、いったいどういうことなのか、
10~11巻で書き尽くされていると思う。
もし、読んでみようと思う人がいたならば、
どうか1巻の軽いギャグテイストに流されず、2巻、3巻と読み進んでいってほしい。
なぜ、登場人物たちがそのような行為をするのか、
なぜそうあらねばならないのか、
少しずつ完璧に伏線は回収され、分厚い世界が立ち上がってくるから。
世界は、人間は、呪わしくも美しく、
思いもかけない広がりと厚みと幅を持っている。
知れば知るほど、世界は、人は、違う顔をもって立ち現れてくる。
関係性はいつまでも同じではない。
いま見えているものが、すべてではない。
いまわかっていることが、すべてではない。
だから、簡単に絶望なんかしないで。
読んでいる間じゅう、繰り返しそう言われているようだった。
ありがとう小池田先生。 至高のマンガ体験でした。
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